萩博物館開館1周年特別公開

萩の至宝展

 
と き
平成17年11月11日(金)〜11月30日(水)
ところ
萩博物館  常設展示室(萩再発見ギャラリー)
 

萩博物館の開館1周年を記念して、
萩博物館が収蔵している国指定重要文化財3点を特別公開します。

(1) 太刀 銘 延吉 (たち めい のぶよし)
 志都岐山神社から奈良国立博物館に寄託されていた太刀で、このたび萩に里帰りし、萩博物館に寄託、収蔵されました。作者の延吉は、鎌倉時代末期の文保(ぶんぽう)(1317〜18)ごろ活躍した大和国吉野郡龍門一派の刀工で、龍門延吉と呼ばれていました。拵(こしらえ)は、金梨地(きんなしじ)に五七桐(ごしちのきり)と長州沢瀉(おもだか)、菊紋蒔絵(まきえ)の絲巻太刀拵(いとまきたちこしらえ)で美しいものです。

(2) 太刀 銘 光房 (たち めい みつふさ)
 志都岐山神社から寄託された太刀で、作者は相模国鎌倉の刀鍛冶光房。光房の遺作は少なく、しかもこの作品は優秀なもので、銘文から弘安(こうあん)3年(1280)につくられたことがわかります。拵(こしらえ)は、柄(つか)・鞘(さや)ともに革包みで、中身と同様に鎌倉時代の作と思われます。

(3) 雪峯東山空和尚外集 (せっぽうとうざんくうおしょうげしゅう)
【石屏子介手沢本 (しっぺいすかいしゅたくぼん) 】

 龍蔵寺から萩博物館に寄託されました。中国・南宋の僧である雪峯慧空(えくう)の語録を収録したものです。著者は明らかではありませんが、書風や材料の紙から元のころの書写と考えられます。
  石屏子介は、大内氏に招かれて山口の香積寺(こうしゃくじ)の開山となり、後に龍蔵寺再興の開山となった人物です。本書に彼の印が押されているところから、彼が元に留学中に求めたものと思われます。この題名の本は、日本では貞和(じょうわ)3年(1347)に発刊されていますが、本書は伝来が明らかな中国・元の時代の書写本として貴重なものです。