No.24 戦後初めての旧制萩中学校卒業式(昭和21年3月、堀内)



戦後初めての旧制萩中学校卒業式(昭和21年3月、堀内)

 終戦から半年余、卒業生たちの格好はまちまちで学生服はむしろ少なく、戦闘帽が目立つ。このうち7人が予科練(海軍飛行予科練習生)帰り、12人が戦災や外地引き揚げの転入生、他の全員も半年前まで勤労動員で光の海軍工場に駆り出されていた。工場ではヒジキや大豆かす入りの貧弱な飯で働き、食べ盛りの少年たちは栄養失調になり、2人が死んだという。米軍機の爆撃も受けたが幸い死者はなかった。実はこの写真の45人は特例として認められた4年での繰り上げ卒業を選んだサムライたちである。母校の同窓会長もつとめる萩商工会議所会頭・山縣喜一、千二百年式年大祭を迎える春日神社宮司・津村和彦らの顔がある。