No.29 建てるに追いつかなかった公営住宅(昭和27年、土原)



建てるに追いつかなかった公営住宅(昭和27年、土原)

 戦後の日本人の生活はとにかく先ず食べる物と住む所の確保だった。とりわけ萩では海外からの引揚者がどっとあふれ、昭和22年、市の所帯数は7年前の46%も増えた。市内各地の公会堂や寺院、倉庫で雨露をしのぐ人も多く、萩市は市営住宅の建設にかかる。土原、江向、堀内など26年までに112戸を建てた。とてもそんなもので間に合わなかっただろう。写真は27年、土原に出来たばかりの家。1戸あたり10坪ほどで庶民住宅とよばれた。実は、萩の市営住宅はその後も増え続け、現在29か所に786戸もある。新しい中層耐火がふえているが、まだ昭和30年代以前の木造住宅も9か所に196戸残っている。