No.41 明倫小学校の松陰授業(昭和30年代、江向)




明倫小学校の松陰授業(昭和30年代、江向)

 昭和34年(1959)、戦後の長い空白のあとに吉田松陰が学校の授業に戻ってきた。松陰没後百年に当たったこの年、道徳の時間が始まり、明倫小学校社会科研究部の手で副読本『松陰読本』が誕生した。写真はその読本を使い郷土がうんだ偉大な先達、吉田松陰について学ぶ児童。教室の前の方には松陰の座像、黒板には「松陰先生」や「玉木文之進」の文字が見える。
 明倫小は松陰が兵学師範をつとめた藩校明倫館の跡地にあり、校内には読本と同じ頃「吉田松陰先生講学の跡」の石碑も建った。『松陰読本』は昭和55年(1980)、松陰生誕百五十周年を記念して萩市教育委員会により新版編集され、その後発行は山口県教育会へ移ったが20版の改訂をかさね各校で使われている。