常盤橋 (ときわばし)

■市報はぎ 平成6年(1994)6月15日号掲載



 常盤橋は堀内と玉江浦とを結び、橋本川の最も下流に架かる橋で、昭和12年(1937)に初めて完成しました。全長は大橋が254メートル、小橋が36メートルでした。それまでは、堀内から玉江浦へ渡るには、深野町の渡しという船渡しを利用していました。
 常盤橋は都市計画法に基づいて架けられた橋で、将来的に東萩駅前〜萩橋〜堀内〜常盤橋〜玉江駅前を結ぶ環状道路に沿った位置に架橋されたのです。この環状線の工事が開始されたのは昭和26年(1951)で、全通したのは昭和43年のことでした。
 常盤橋は昭和28年に架け替えられ、さらに昭和57年には旧橋の下流側に、新しく長さ328メートルの自動車専用の橋が竣工しました。このため、旧常盤橋は、歩行者・自転車専用道となりました。
 ところで、常盤橋は橋本川に浮かぶ常盤島の先端をかすめるように架かっています。この島は橋本川にできた洲で、18世紀の中ごろから次第に形成されてきました。そして、寛政10年(1798)にはぎ藩主の別邸川手御殿(花江御殿)がこの洲の北面に建てられたころには、現在のような常盤島の景観を見せていました。この辺りから玉江浦の観音院方向を眺める景色は、江戸時代から玉江の秋月といって萩八景の1つに数えられていました。常盤島は現在、国の重要伝統的建造物郡保存地区内にあります。橋本川の水面に映る松と橋のシルエット。現代的建造物と歴史的な景観や自然景観との調和を考えさせられます。