藍場川の石橋 (あいばがわのいしばし)

■市報はぎ 平成7年(1995)7月15日号掲載



 藍場川は川島樋の口から橋本町・江向を経て平安古石屋町まで、約2.6キロメートルを縫うように流れています。延享元年(1744)川島から江向までの農業用水路を拡幅、延長して、松本川と新堀川とを結んだものです。藍場川の開通によって農業用水だけでなく、火災の際の防火用水、洪水の際の水はけ、さらには川舟による物資の運搬にも役立ちました。50年くらい前までは、主に川上村(現在の萩市川上地域)から薪炭をつんだ川舟が藍場川を通航していたそうです。
 現在、藍場川には100余りの小さな橋が架かっています。そのうち、3分の1にあたる30余りの橋が石橋となっています。石橋のなかでも、荷物を積んだ川舟が通りやすいように、道路よりも高く持ち上げた石橋がいくつか残っています。特に、昨年萩市の史跡に指定された「旧湯川家屋敷」前の石橋は、その構造をよく伝えています。
 国道262号近くの藍場川には1本の細長い石材を渡し、ちょうど平均台のように1人がやっと通れるくらいの、幅の狭い石橋も見られます。また花崗岩を磨いた、白い石橋も目立ちます。このように石橋をウォッチングしながら、藍場川沿いを散策するのも一興があります。