ランプ (らんぷ)

    萩の民具(2) 市報はぎ(平成2年)1990.6.1号掲載


     本来ランプとは、光源とか灯火という意味である。これらを日本では石油灯火具の総称として用いている。
     ランプは別名洋灯とも呼ばれていた。その名のごとく日本には外国から入ってきたものである。大体、幕末に伝来したといわれている。明治5年(1873)に大阪商人の手によって国産化され、その明るさ故にたちまち全国に普及した。萩のような都市部では、農産漁村に比べると早い時期にランプが使用されはじめたようである。
     綿糸製の灯芯には、平芯と巻芯(丸芯)とがある。平芯のランプは石油消費が少ない反面、光力に難点があり、台ランプ等には光力の強い巻芯が用いられた。炎はガラスの火屋(ほや)で被うのだが、石油を燃やすためどうしてもこれに煤(すす)が付着した。これを毎日掃除して磨くのが子どもの役目であった。
     電灯の普及(萩市の場合1911年10月から萩電灯株式会社が電気供給営業を開始した「萩市史第3巻より」)後、ランプはしだいに使用されなくなった。