大八車 (だいはちぐるま) ・シャリキ

    萩の民具(13) 市報はぎ(平成3年)1991.5.1号掲載


     シャリキとは、一般的には荷車を引いて荷物を運ぶ仕事に携わる人達のことをいう。萩地方においては、荷物運搬用の大八車のこともシャリキと呼んでいる。
     大八車は、江戸時代初期に江戸において使用が始められたといわれる。人分の仕事のわりをするので「代八車」と呼ばれるようになったとか、牛車工の左衛門が製作したので大八車と呼ばれるようになったなどといわれている。道路が整備される明治時代以降に、全国各地で盛んに使用されるようになる。
     大正時代にリヤカー(自転車の後部に連結して使用できる二輪車、後部車(リヤカー)という意味の和製英語)が開発され普及するが、萩地方では、昭和30年代まで大八車が利用された。
     荷物は荷台に縄で固定する。荷台枠のL字状の金具は、この縄を掛けるためのものである。また、荷台枠の前後ろには環状の金具が取り付けてあり、荷が重いときなどには、これに綱を通して引いたり制動したりした。