笊 (ソーケ) ・飯笊 (メシゾーケ) 

    萩の民具(16) 市報はぎ(平成3年)1991.8.1号掲載


     萩地方では、笊(ざる)のことをソーケと呼ぶ。語源は定かではないが、全国的に笊のことをショーケとかソーキと呼ぶところは多い。
     当地方には、水持ちのよくない田のことを「ソーケ田」とか、無駄が多く効果がほとんど無いことを「ソーケで水を汲むような」という言葉が伝わっている。ソーケの性質が良く言い表わされている。水を保たず通気性があるということで、ソーケは、洗った食器や磨いだ米の水切りに利用された。
     暑いこの季節、羽釜(はがま)から櫃(ハンボウ)に移したご飯は、熱と湿気がこもるため大変傷みやすくなる。そこで利用されたのがメシゾーケ(飯笊)である。飯笊の底に湿らせた布巾を敷き、その上にご飯を布で包み込むようにのせ、蓋をして涼しく風通しのよいところに吊り下げておいた。布巾によりご飯に適度の湿り気を保たせることができ、また、布巾の水分が蒸発する際に熱を奪うので、飯笊内の温度の上昇を防ぐことができた。