灯 台 (とうだい) 

    萩の民具(24) 市報はぎ(平成4年)1992.5.1号掲載


     灯台は室内照明用の灯火具である。トウミョウダイとかアカシダイとも呼ばれる。菜種や綿実、荏胡麻(えごま)を絞った油を燃料とする。土器製の油皿の中にこれらの油を入れ、それに灯芯を立てて点火して明かりをとる。この油皿を台の上にのせたり、竿に設けた金属の台座にのせて、灯火を一定の高さに定置させるのが灯台である。
     写真の短檠(たんけい)は灯台の一種で、現在も茶室の照明に用いられることがある。油皿や灯芯は台の中に納めることができるようになっている。灯台は高さにより、高灯台、切灯台、短檠などと区別される。厳然とした区別は難しいが、短檠が最も竿が短く灯火の位置が低い。いずれにしても、灯台の高さは60cmから130cm位で、座敷に座るという日本人の生活のスタイルに適した高さになっている。
     これら灯台は、構造上どうしても油皿の直下が暗くなる。「灯台もと暗し」の諺(ことわざ)は、灯台の性質を良く言い表している。