絵 馬 (えま) 

    萩の民具(80) 市報はぎ(平成8年)1996.12.1号掲載


     祈願のために、または祈願の成就を感謝するために社寺に奉納する絵の額のことを絵馬と呼ぶ。形や大きさは様々で、何かの記念に奉納されたものや、絵以外のものを額とした絵馬も見られる。
     一般的に馬の図柄を描いたものが多いが、語源や奉納の起源については良く分かっていない。ただ、かつては、馬そのものや馬の作り物を社寺に奉納することがあり、それが発展して絵馬になったと考えられている。
     古くより、日本では、神霊が乗馬姿でこの世に降臨すると信じられていた。そして馬が神聖視されていた。そのことと、馬や馬の作り物や絵馬を社寺に奉納するということとは、深い関係があるようである。つまり、神霊の降臨や移動に無くてはならぬものの奉納は、神霊の発現を促し、その神霊を誘導し、そして祈願を成就させることにつながると考えられるのである。