羽 島


     萩市の沖合5キロに浮かぶ羽島は面積0.25平方キロメートルの無人島です。

    由 来
     いつ頃から人が住みはじめたかについては定かでないが、永正5年(1508)頃と推定される大井八幡宮の御済納米銭役人文書には「羽島」と記されており、室町時代末期には、阿武郡20郷と並んで、農作物や人役を神社に献納できる島があったことが知られる。
     その後、元文5年(1740江戸中期)には26軒115人の島民が、牛29頭を飼育し、畑地の耕作に従事していたことが「地下上申」に記されている。
     郡制時代(明治22年)には、6島村に属していたが、昭和30年3月萩市に合併した。合併当時の人口は89人、10世帯であったが、昭和46年11月全島民が本土へ移住のときは、人口約40人、8世帯で主に「葉タバコ」の単作により生計を営んでいた。

    現 状
     全島民が本土へ移住後、島の全私有財産を山口県と萩市が夫々持分2分の1で買収した。
     この島は、国定公園の特別地域に指定されているため、利用について種々検討がなされ、自然景観の保全と美しい海を生かして利用することで、国・県及び萩市がキャンプ場として、昭和52年から整備を進めてきた。更に昭和56年度に地域経済振興対策事業としての羽島「海洋パークセンター整備事業」が国の指定を受け、昭和56〜58年度の3か年計画で道路、周遊動、遊泳場及びスポーツ広場などの園地整備が実施された。
    市報はぎ平成6年(1994)1月15日号掲載 (山口県の島々より抜すい)
    ※現在キャンプ場は閉鎖しています。