松下村塾の「双璧」がそれぞれ揮毫した扇面。上段は高杉晋作で、文久3年(1863)4月18日、萩松本村に隠棲中の作。これまで東奔西走したが、故郷に帰り静かに春秋が過ぎるという感慨を詠んだものである。下段は久坂玄瑞で、元治元年(1864)3月、京都からいったん山口に帰る際に揮毫した。いまだ藩主の冤罪を雪ぎきれない心情を詠んだものである。