地域食材を活かす事にこだわって
群馬県から Iターンされた原宏也さん(67歳)
萩へ移住する事となった経緯を伺いました。
埼玉県に生まれ育ち、東京で暮らしていた事もあります。
萩市に来る前は、群馬県でケアマネージャーの事務所を運営していました。
いつかは、古民家カフェや居酒屋をやりながら暮らしてみたいと思っていて、
あくせくしないで、自分の好きなことをしながらのんびりとした生活が出来たらと、
各地の空き家バンクを利用し、実際に古民家を見て周りました。
そんな時に琴線に触れたのが 『萩』 でした。
実際萩を訪れた時に、環境も良くて海は青く綺麗だし、とにかくここは凄くイイナと感じたんです。
古民家が理想でしたが、色々見ていくうちに古民家のリノベーションには相当な資金が必要になるので・・・断念しました。
むしろ、一般の住宅を購入してどこか他に店舗を探してみようとプランの変更をしました。
異文化交流は、楽しく美味しい!?
そんな原さんがIターンされたのは平成29年11月末。
移住当初には、関東では見た事も無かった食材が道の駅などで売られていて、大変驚いたそうです。
例えば魚のシイラ。関東のスーパーなどでは見たことが無く、萩に来て初めて目にしました。
コシナガマグロやヨコワが1本で売られていたり、刺身用の鯖や亀の手、白ばい貝など・・・。
そのどれもがとにかくに美味しくて、萩に来てホント良かったです!
物流が進歩していて、全国各地の美味しいものがどこでもたべられると思っていたのですが、
まだまだ食文化には地域性があるな~と感じました。
原さんは若い頃フリーのライターをしていて、全国各地で料理の取材も沢山したそうです。
「万人にとって美味しい料理という物はこの世に存在しない」と言った料理人が居ますが、
中には地域外の自分にとってちょっとなぁ・・・と思う料理もありました。
原さんは、この地域外のものに触れる(味わう)事を、『異文化交流』の醍醐味としているようです。
確かに、初めて目にするお料理や食材って・・・ドキドキしますよね。(笑)
多様な部署で働くことも面白い?!
萩へ来た直後、近くの道の駅「ゆとりパークたまがわ」がリニューアルオープンの為、
手伝って欲しいとのことで依頼を受け、アルバイトとしてスタッフに。
その後、同じ企業の「たまがわ温泉」でも手伝いをしていましたが、
昨年9月に、道の駅で独自の商品開発展開を志向したいとの話があり、道の駅の食材研究室へと異動。
現在は加工場でコーヒーゼリーやプリンを、食材研究室では弁当や惣菜を、
道の駅の敷地内にある新鮮館ではソフトクリームや麺類を作って販売するといった業務を遂行されています。
原さんが一番初めに提案したプリンは、毎週50個ほどを売る定番商品となっているそうです。
地元の卵、山口県産生乳のみを使用した牛乳、グラニュー糖とほんの少しのバニラオイルだけを使用。
こだわりのプリンは、卵の味が活きていて美味しいと、高い評価を頂いています。
萩産の和牛を使った肉じゃがや、長州鶏のから揚げなどもファンの方が増えてきていて、
提供する側としてもとても嬉しい限りです!
と、笑顔で話をしてくださいました。
その他にも、バライカに地元の里芋やジャガイモを詰めた「たまがわ煮」や「たまがわ焼き」を考案してきたそうです。
地元の物を安心・安全に食することが出来るのって、実は本当に贅沢ですよね!
今後の展望は・・・?
もっともっと地元食材を活用することですね!
今まで捨てられてしまってきた魚達の復権を考えていきたいという道の駅のコンセプトに沿って
色々な商品展開を考えていると語る原さん。
シュモクザメって知ってますか?あの水族館とかにもいる特徴的なサメです。
ハンマーヘッドシャークとも呼ばれていますが、から揚げにしてみたら本当に美味しいんです!
もちろん、今までこの魚を食べたことなんてありませんでしたし、食べようと考えた事もありませんでした。
それから、目の前で新鮮なワカメが沢山採れるんです。輸入ワカメを使っている飲食店が多いと耳にしますが、
地元のワカメの普及に繋がるようなメニュー等も提案していきたいですね。
人手不足の現場で地元の方と一緒に大活躍されている原さん。
原さんの味付けやメニューがこの萩の地の食材と交流し、そこで新しい価値が生まれたら・・・
移住支援を担当とする者として、とても満足できるものだと感じました。
近くへ行くことがあれば、ぜひ 『ゆとりパークたまがわ』 の原さんの味に触れてみてくださいネ!
住所 : 山口県萩市下田万2849-1
電話 : 08387-2-1150
営業時間 : 8:30~18:00
※近くにはオートキャンプ場を併設した 田万川温泉 『憩いの湯』 もあります。ぜひお立ち寄りください!
(令和元年9月 記事作成)