7.28豪雨災害から1年を迎えて
7月28日 豪雨災害から1年
昨年7月28日に萩市東部地域を襲った集中豪雨災害から、まもなく1年となります。
当日、須佐では観測史上最大の1時間の降水量が138.5mm、また午前9時20分からの3時間雨量が301.5mmを観測し、気象庁から「これまでに経験したことのないような大雨」と発表されるなど記録的な豪雨となりました。
この豪雨災害により、須佐・田万川・むつみ地域では、死者2人、行方不明者1人、負傷者5人、また被害家屋は1100棟を超えるなどの甚大な被害があり、現在でも仮設住宅で生活を送られている方もおられます。
被災の翌日からは、のべ1万人を超えるボランティアの皆さんが猛暑の被災地に入り、被害を受けた方の支援など無償の奉仕活動をいただいたことは、復旧への大きな力となりました。
被災地では今も当時の爪痕が残る箇所もありますが、被害のあった道路や河川などの公共土木施設や農地・農業用施設、公共施設等も本格的な復旧に取り組んでおり、復興に向けて着実に歩みを進めています。
今回の豪雨災害での教訓を今後の防災体制の整備に生かし、災害に強い、市民が安全・安心に暮らせるまちづくりに取り組んで行きます。
小川支所から見た旧小川中学校周辺。原中川と 田万川に囲まれた一帯が冠水(午後1時頃) | 上田万八幡地区の椿橋付近。田万川から溢れた水で 県道津和野田万川線も冠水(午後3時頃) |
須佐トンネルの西側の国道191号と交差する長谷川が 溢れてトンネルへ流れ込んだ(午後5時頃 | 弥富地区を流れる田万川も氾濫。橋を超えて流れた 濁流により欄干も壊れた(正午頃) |
大雨が止んだ後もむつみ保育園横の蔵目喜川 (吉部上)は濁流が流れている(正午頃) |
集中豪雨被災から1年を迎えて 萩市長 野村興兒
合併後新市の最大の試練となった集中豪雨被災から間もなく1年が経過しようとしています。わずか3時間という短い間に300mmを超える豪雨、しかも局地的、突発的な集中豪雨。2人の方の命を奪い、1人は今なお行方不明、家屋の被害は1100棟を超える。改めて被災された方々にお見舞い申し上げます。被災地の方々とともに一日も早い復旧復興に努めることに決意を新たにしています。
被災後、他の自治体からの応援を受けながら市職員一丸となって被災した上下水道施設、小中学校等の公共施設の復旧を行うとともに災害復興局を設け、道路・河川等の公共土木施設や農地・農業用施設等の本格的復旧に取り組んできたところです。被害甚大で移転再建を余儀なくされた須佐保育園は来春の開園に向け、また小川支所・コミュニティセンター等は合築した複合施設として1年後の竣工を目指し建設準備を進めています。国・県の復旧事業も着実に進められていますが、県管理河川の須佐川・田万川は抜本的改修となり完成までには未だ相当の期間を要すると聞いています。不通となりバスでの代行運行が続いていたJR山陰線も須佐川の鉄橋の架け替え等も完了しつつあり、8月10日には開通と発表されたところです。
振り返ると苦難の1年だったが、あの酷暑の中、被災家屋からの泥出し、災害に伴うがれきの処理に被災地の方々とともに多くのボランティアの方々が汗と泥に塗れながら黙々と従事されている姿は今もって忘れ難い光景です。
7月28日、この日は萩市民防災の日となりました。この日は須佐の花火大会の日でもあります。昨年は中止となりましたが、本年は復興の願いも込めて多くの方々の協賛のもと、須佐湾の夜空を尺玉の大輪の花が開くことでしょう。
被害の状況
(平成25年9月の状況)
人的被害
・死者2人、行方不明者1人、負傷者5人
住宅被害
区 分 | 須 佐 | 田万川 | むつみ | 合 計 |
---|---|---|---|---|
全壊 | 10 | 9 | 1 | 20 |
大規模半壊 | 30 | 27 | 0 | 57 |
半壊 | 224 | 143 | 13 | 380 |
床下浸水 | 169 | 130 | 47 | 346 |
合計 | 433 | 309 | 61 | 803 |
(平成26年3月31日現在、義援金配分対象となった世帯。複数世帯同居は1世帯とみなす)
避難状況
・避難勧告(最大時)4521世帯9834人(須佐・田万川・むつみ地域、大井)
・避難人数(最大時) 約500人
農林漁・商工業被害
・農作物被害 約3億1000万円
・農地・農業用施設 約39億6800万円
・畜産被害 約1000万円
・林道被害 約1億6500万円(105カ所)
・治山被害 約12億円(100カ所)
・水産業被害(市管理)約9000万円
・商工業被害(民間) 70社以上、約11億円
市土木施設被害
道路172カ所、河川106カ所、橋梁4カ所 約50億円
市水道施設被害
約1億900万円
市下水道施設・集落排水処理施設等被害
約5億4000万円
市公共施設等被害 39施設(小川支所、市営住宅等)約9億4000万円
◎保健福祉施設
田万川保育園小川分園、須佐保育園(移転新築)、小川児童クラブ(小川コミュニティーセンター内、8月19日から小川小学校で仮設再開)、育英児童クラブ(育英小学校内、8月19日から再開)、須佐保健センター(現在は復旧)等
◎社会教育施設
須佐公民館、須佐図書館、須佐歴史民俗資料館(床上浸水等の被害)
◎文教施設
小川小学校、育英小学校(校舎、屋内運動場床上浸水等の被害)、多磨小学校、田万川中学校(法面崩落被害)、須佐田万川学校給食共同調理場(床上浸水、配送車2台破損等)
◎文化財施設
市指定有形文化財「益田館」水没、県指定史跡「須佐唐津古窯跡群」一部崩壊
保健福祉施設(民間分)
特別養護老人ホーム阿北苑(床上浸水、土砂流入ほか。利用者52人、職員5人をヘリで搬送)、特別養護老人ホームすさ苑、EGF小川事業所、EGF江崎事業所(床上浸水ほか)等
復興関連行事等について
昨年7月28日に発生した萩市東部集中豪雨災害から、間もなく1年となります。
この災害の経験と教訓を風化させることなく継承し、自然災害について防災意識を高めるために今年3月に7月28日を「萩市民防災の日」、また須佐・田万川地域に甚大な被害をもたらした昭和58年山陰豪雨災害が起きた7月23日からの1週間(29日まで)を「萩市民防災週間」に制定しました。
豪雨被害から復興に向けて取り組む、須佐・田万川・むつみ地域での行事等を紹介します。
行事一覧
日程 | 須佐地域 | 田万川地域 | むつみ地域 |
---|---|---|---|
7月23日(水曜日) |
| 田万川地域防災パレード |
|
7月25日(金曜日) | 祇園祭(祇園車巡行・前夜祭) | 施設慰問(阿北苑) |
|
7月26日(土曜日) | 祇園祭(祇園車巡行) | 復興祈念狂言公演 | 昆虫トレインツアー (須佐地域小学生約15名招待) |
7月27日(日曜日) | 須佐男命いか祭り |
| ひまわりロードフェスタ |
| 弁天祭(前夜祭・管弦船巡航) |
| むつみ探訪ツアー |
7月28日(月曜日) | 「7月28日 萩市防災の日」式典 | 「7月28日 萩市防災の日」防災講演会 |
|
| 派遣職員現地視察 |
|
|
| 弁天祭 須佐湾大花火大会 |
|
|
8月10日(日曜日) | 山陰本線須佐~奈古間 運転再開行事 |
|
|
8月23日(土曜日) | 昆虫トレインツアー (田万川地域小学生約15名招待) |
|
|
行事紹介
田万川地域防災パレード
昭和58年山陰豪雨災害を契機に、旧田万川町時代から行われている啓発活動です。
広報車1台、消防車8台が田万川地域内をパレードします。
と き 平成26年7月23日(水曜日)午前9時~11時30分
ところ 田万川地域内(田万川グラウンド駐車場出発)
■お問い合わせ先 萩市田万川総合事務所地域振興部門Tel: 08387-2-0300
復興祈念狂言公演及び施設慰問
萩市ふるさと大使である和泉元彌さんが昨年の豪雨災害で被災した地域を元気づけるために、被災した施設の慰問や復興祈念の狂言公演、須佐男命いか祭りに出演します。
●施設慰問
と き 平成26年7月25日(金曜日) 午後3時~(予定)
ところ 特別養護老人ホーム阿北苑(萩市大字上小川東分)
●復興記念狂言公演
と き 平成26年7月26日(土曜日) 午後1時~(12時30分開場)
ところ 田万川コミュニティセンター(萩市大字江崎)
演 目 狂言(きょうげん)語(がたり)(吉田(よしだ)松陰語(しょういんのかたり)) 狂言(至誠)ほか
入 場 無料(入場整理券を田万川・須佐・むつみ総合事務所、文化・生涯学習課で配布します)
主 催 田万川ふるさとづくり協議会(会長 港 正彦)
■お問い合わせ先 萩市田万川総合事務所地域振興部門Tel: 08387-2-0300
萩市生活再建支援事業部Tel: 08387-6-2214
昆虫トレインツアーへの特別招待
昨夏の豪雨災害被災地の子どもたちに「楽しい夏休み」を取り戻してもらうため、「昆虫トレインツアー」(市内に点在する昆虫関連ポイントを特別列車でめぐるツアー)に、須佐地域(7月26日)、田万川地域(8月23日)の小学生を約15名ずつ無料招待します。(一般募集とは別枠)
●むつみコース(特別招待) 申込締切7月14日済み
と き 平成26年7月26日(土曜日)午前8時(須佐発)~午後4時20分(須佐着)
ところ 須佐→萩博物館→萩駅→奈古駅→陸上自衛隊むつみ演習場→むつみ昆虫王国→須佐
●須佐コース(特別招待) 申込締切8月8日
と き 平成26年8月23日(土曜日)午前8時20分(田万川発)~午後4時40分(田万川着)
ところ 田万川→萩博物館→萩駅→須佐駅→須佐ホルンフェルス周辺→須佐文化センター→田万川
各コースとも、萩駅にて「昆虫トレイン」発車前に発車式を開催(11時10分頃~11時30分頃)。
■お問い合わせ先 萩市須佐公民館(7月26日分)Tel: 08387-6-2310 萩博物館Tel: 0838-25-6447
萩市江崎公民館(8月23日分)Tel: 08387-2-0211 萩博物館Tel: 0838-25-6447
須佐男命いか祭り
須佐で獲れる新鮮な男命いかを堪能できるイベントです。
と き 平成26年7月27日(日曜日) 午前9時~午後3時
ところ 須佐漁港(山口県漁協須佐支店前広場)
■お問い合わせ先 須佐男命いか祭り実行委員会(萩市須佐総合事務所産業振興部門)Tel: 08387-6-2219
ひまわりロードフェスタ
むつみ地域の伏馬地区では、毎年3ヘクタールに10万本のひまわりを植栽しています。
7月8日、ひまわり開花宣言!見頃は7月下旬から8月上旬の予定です。地元の特産品・軽食の販売やスケッチ大会、写真コンテストなどがあります。
と き 平成26年7月27日(日曜日) 午前9時30分~午後3時
ところ 萩市大字高佐下 伏馬地区(むつみ物産販売交流施設)
■お問い合わせ先 ひまわりロードフェスタ実行委員会(萩市むつみ総合事務所産業振興部門)Tel: 08388-6-0211
むつみ探訪ツアー~ひまわりロード散策とジャガイモ掘り体験~
むつみ地域の夏を彩るひまわりの観賞と、千石台でのジャガイモ掘り体験(申込締切済み)
と き 平成26年7月27日(日曜日) 午前9時30分~午後3時
ところ 市役所正面玄関集合→ひまわりロード散策(ひまわりロードフェスタ)→ジャガイモ掘り体験
■お問い合わせ先 萩市むつみ総合事務所地域振興部門Tel: 08388-6-0211
「7月28日 萩市防災の日」式典
被災から1年経過し、その復旧状況の報告と市長訓示などを行います。
と き 平成26年7月28日(月曜日)午前11時~11時30分
ところ 須佐総合事務所
■お問い合わせ先 萩市防災安全課Tel: 0838-25-3808
「7月28日 萩市防災の日」防災講演会
防災意識の普及啓発として、下関地方気象台長の講演やボランティア活動事例発表などを行います。
と き 平成26年7月28日(月曜日)午後1時~3時
ところ 田万川コミュニティセンター(江崎)
■お問い合わせ先 萩市防災安全課Tel: 0838-25-3808
派遣職員現地視察
昨年度、他市から災害復興局へ派遣された職員が、被災現場の状況を視察します。
と き 平成26年7月28日(月曜日)午後4時~
ところ 田万川・須佐地域内
■お問い合わせ先 萩市生活再建支援事業部Tel: 08387-6-2214
須佐湾大花火大会
須佐湾花火大会は、須佐弁天祭の2日目にあたり、弁天神事のフィナーレを盛り上げるために昔から行われてきましたが、昨夏は豪雨被害のため中止となりました。
今年7月28日、地域の復興を祈念して、また、ご支援いただいた多くのみなさんに感謝の気持ちを込めて須佐湾大花火大会を開催します。今年限りの尺玉花火が復活!!&アニソン界最強ユニットが復興ライブ!!
と き 平成26年7月28日(月曜日)※花火大会、雨天時は、29日に順延
午後8時~午後9時10分(須佐夏まつりは17時00分~22時00分)
ところ 須佐漁港・須佐漁協横特設ステージほか
18時00分~22時00分まで、会場周辺には、車両は進入できなくなります。
【イベント内容】
・弥富和太鼓「龍神太鼓」 18時20分~18時40分
・復興祈念アニソンライブ19時30分~20時00分/21時10分~21時50分 ※荒天時は、同日須佐文化センター
・須佐湾大花火大会5000発打上・尺玉30発打上!!
■お問い合わせ先 夏祭り実行委員会(萩市須佐総合事務所産業振興部門)Tel: 08387-6-2219
山陰本線須佐~奈古間運転再開行事
昨年7月28日の豪雨災害により部分運行となっていた山陰本線が全線運転再開となることから行事を開催します。
と き 平成26年8月10日(日曜日)午前11時30分~
ところ 須佐駅
■お問い合わせ先 萩市商工振興・企業誘致推進課Tel: 0838-25-3108