龍蔵寺から萩博物館に寄託されました。中国・南宋の僧である雪峯慧空(えくう)の語録を収録したものです。著者は明らかではありませんが、書風や材料の紙から元のころの書写と考えられます。
石屏子介は、大内氏に招かれて山口の香積寺(こうしゃくじ)の開山となり、後に龍蔵寺再興の開山となった人物です。本書に彼の印が押されているところから、彼が元に留学中に求めたものと思われます。この題名の本は、日本では貞和(じょうわ)3年(1347)に発刊されていますが、本書は伝来が明らかな中国・元の時代の書写本として貴重なものです。 |