萩博物館
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「志士」と「元勲」の書

〜筆先ににじみでる人となり〜
 
 
と き
平成24年4月21日(土)〜平成24年6月24日(日)
ところ
萩博物館 企画展示室
 

松陰・晋作・久坂・木戸・前原・伊藤・山県等々、長州萩出身の「志士」や「元勲」の書を一堂に展示します。

本展は、これまで歴史史料として扱われることが多かった彼らの遺墨を、書道家小倉窓筧先生に書作品の見方について監修を賜り、書作品として鑑賞するという新しい視点から、その人物像や心情に迫ろうとするものです。

作者としての志士や元勲の思わぬ一面が垣間見られることでしょう。

 
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吉田松陰賛・跋文書

 

ここに注目

@横画は勢いよく右へ運んでいる
A非常に鋭い左払い
B字形は背勢にとっている
C一紙の中央に位置する字を形良く書いている。

 


実にまじめで切実な書である。細く勁い線で字形を右上りにし、畳みかけるように字を書きつらねてゆく。右払いは上にはね上げるようにし、横画は筆をトンと置いて勢いよく引き出し、トンと止めるという所謂トン・スー・トンの筆法で、書の基本をよく勉強したことが伺われる。変化や作品としての工夫はあまり考えられていない。緊張感のある線で破綻がなく、本文から落款に至るまで気力が充実してよくそろっているという全体観である。

 

 
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高杉晋作詩書

日常的に毛筆を使用していた時代は、手紙を書くにも、ちょっとしたメモ書きをするにもそれそのものが作品だった。どんな字を書く時でも学ぶという姿勢で常に大切に字を書いていたので、同じ字でも異なった書き方ができ、作品もいろいろな書きぶりができる。書き出しは行書で直線が多く、だんだん勢いが出てきて四、五行目になると回転曲線の草書が主となり、最後はまた行書にもどっているが全体としては見事な統一感である。

 
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久坂玄瑞詩書
 

決して巧みではないが作品としての体裁を意識して書かれた刻意の書である。墨つぎ五回で要所要所によく配置されているが特に書き出しと二行目の「五」などはポイントとしてよく利いている。長い縦線が三カ所あるが長さや太さ、書く速さなどを変えて単調にならないように工夫してある。一紙によく収まっているといえる。よく考えられた作品だけに新鮮な驚きや感動を呼ぶのもではないが、愛すべき作品である。

 
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井上馨狂歌書
即興(そっきょう)の書である。日常から書をよくしているだけに線は強く、余白もうまくとってあって、これくらいはすぐに書けるという感じである。しかし作品としてみるとあまり興趣(きょうしゅ)をおぼえない。はなむけの言葉を書いたり、寄せ書きをしたり、一筆書き記す時などのように、気持ちを伝えたい時にはあまり技巧(ぎこう)をこらせないものであるが、この作品もそうしたものであろう。
 
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チラシPDFダウンロード
(約0.8M)

 

監修:小倉窓筧先生
1953年、萩市生まれ。
日展会友(入選15回)、読売書法会理事、日本書芸院評議員ほか

 


 

※解説図録(B5版2色刷、500円)は4月21日(土)から萩博物館ミュージアムショップにて販売します。



     
       ■関連イベント
 
   ◎ギャラリートーク

4月29日(日)13:30〜
5月27日(日)15:00〜(60分程度)

※これ以外でも実施する予定あり。
 HPまたはブログでお知らせします。

当館学芸員が展示解説を行います。
5分前に展示室入り口にお集まりください。
定員20名
参加料:無料(ただし観覧料は必要です)

   ◎ワークショップ 「志士」の書を書く

5月19日(土)
14:00〜16:00

展覧会を監修いただいた書道家小倉窓筧氏を講師に迎え、展示資料の書作品としての解説を聞き、代表的な人物の書を手本としてその筆法などを体験します。

定 員 30名(中学生以上・申し込み順、受付開始は4/16〜)
持参物 書道用具(筆、墨、硯、下敷き、文鎮)
参加費 300円(ただし、別途観覧料必要)

 
       
■開館時間 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日 なし
■観覧料 大人500円 高校・大学生300円 小・中学生100円
【団体割引】20名以上20%引き* 【障がい者割引】20%引き
■年間パスポート 無料
 ※年間パスポートをお持ちの方は何度でもご観覧いただけます。
 年間パスポートのご案内はこちらから
■駐車場 普通車66台 バス8台
有料(普通車:1回300円 大型車:1回1,000円)
※萩市民は無料
■お問合せ
萩博物館 TEL:0838-25-6447
E-mail
※会期や内容は変更する場合があります。ご了承ください。
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