No.42 菊ヶ浜海水浴場の若者たち(昭和30年代か、堀内)




菊ヶ浜海水浴場の若者たち(昭和30年代か、堀内)

 いつの時代にも夏の海は人々を開放的にする。そして、菊ヶ浜は萩市民のメッカである。とくに若者や子どもたちにとって遊びの天国だ。昭和31年(1955)、経済白書は「もはや戦後ではない」と宣言し、いまは東京都知事・石原慎太郎氏の小説から生まれた「太陽族」が現れた。この前年から15年余り、日本は世界が驚く高度成長路線を驀進した。この写真の頃は、まだささやかなものだ。こんな小さなオート三輪でも恰好よかったのだろうか。右端の砂浜を歩く3人連れの娘のファッションも精いっぱいのおしゃれだろうが、地味なもの。ビーチパラソルの花も咲いていない。ただ、松原の緑は今よりも多くて濃いように見える。