見島・大島・相島は、今煙草の収穫で多忙な時期を迎えている。暑い最中、それこそ一服する暇もない程だそうである。 日本において煙草が一般化するのは、江戸時代の初めのことである。南蛮船によりその習慣がもたらされたといわれている。煙草という言葉も同時に移入された。ポルトガル語を語源とすることをご存知の方も多いと思う。刻み煙草を吸う際に用いる煙管も語源はカンボジア語だといわれている。雁首(がんくび)と吸口を継ぐ竹は羅宇(らお)と呼ばれる。ラオス産の節間の長い竹を用いたため、この名があるという。煙草には南蛮の香りがする。 煙草盆は、屋内での喫煙の際に用いられる。普通、火入れ、灰吹き、煙草入れ、煙管が盆の上にまとめられている。火入れには灰の中に炭火が埋められた。灰吹きは、蓋つき物が多かったようである。かつては、来客に煙草盆で一服をすすめていたそうである。お茶や夏の団扇(うちわ)と同様に煙草は人をもてなすために必要なものだったようである。 |