萩博の引出し >>
萩博物館収蔵品紹介
 
 
高杉晋作詩書
 
 大きく
 
高杉晋作詩書
たかすぎしんさくししょ
     
歴史    
     
春風文庫蔵
1幅
 
 魚は釣餌に驚き去る
 鳥は矢弓を見て飛ぶ
 反復は人情の事
 我が掌(たなごころ)この機を知る
 まさに赤間関に浮遊せんとし、
 この作あり
   東洋一狂生東行

危機から逃れる魚や鳥を、強い者を見ると怯む人間にたとえる。裏切りは人の世の常で、私はそうした人間の機微(きび)を知ったとの意味。慶応元年(1865)閏5月〜6月ころ、赤間関(下関)での作。このころの晋作は、藩や同士に裏切られ、九州や四国に逃れた。時代の先端を歩く晋作の、人間的成長が感じられる詩である。
 
長州男児の肝っ玉
|展示案内|一覧表示目録HP
ブログ
 
紹介者:一坂太郎