士規七則の碑

(堀内 萩高等学校)
  


     萩高等学校本館の校長室南側、中庭の築山に高さ一六五センチメートル、幅九〇センチメートルの碑が建っている。この石碑は、大正四年(一九一五)十一月十日に行われた大正天皇即位大礼を記念して建てられたもので、上部には吉田松陰の字で「士規七則」と書かれ、その下に松陰の士規七則全文を、当時萩中学校教諭であった安藤紀一が揮毫している。
     士規七則は吉田松陰が野山獄にあったとき、安政二年(一八五五)正月、従弟の玉木彦介の元服の祝いに武士としての修養について教えるために書き与えたものである。内容は単に玉木彦介だけの教戒となるものではなく、一般に人としての修養の指針として役立つように書かれている。武士としての本質ともいうべき士道の要点を七か条に要約し、最後にこれを三端にまとめて立志、択交、読書への道としている。松陰は、同じものを松下村塾にも掲げて門人に暗誦させた。今までにこれほど簡潔に士道の要点を記したものは他には見当たらない。
     なお、石碑の完成以降は「士規七則」をもって萩中学校の校訓と定めた。