明治維新胎動之地碑

(椎原 松陰神社)
  


     松陰神社の大鳥居をくぐり、石畳の参道を進むと左手に高さ三七〇センチメートル、幅二三〇センチメートルに及ぶ巨大な石碑が建っている。碑は花崗岩の切石であるが、あまり加工がされていないので、表面も荒叩きのままの仕上げである。この石碑は、昭和四十三年(一九六八)「明治維新百年」を記念して奉賛会によって建てられたものである。
     「明治維新胎動之地」と書かれているのは、ここ松陰神社境内にある松下村塾において、吉田松陰が誠心誠意を傾けて門下生たちにその理想を託し、道なかばに倒れた功績を評価しているのである。
     松陰による松下村塾での教育が、やがて萩から明治維新の原動力となって活躍する多くの志士や烈士を生み、日本近代化の胎動となったのである。すなわち、萩を「維新発祥の地」とする所以である。
     なお揮毫は、山口県出身の内閣総理大臣佐藤栄作の筆によるものである。