○萩市議会議員政治倫理条例
令和2年3月27日条例第15号
萩市議会議員政治倫理条例
(目的)
第1条 この条例は、萩市議会議員(以下「議員」という。)が、市民全体の代表者として、議員活動を行う際に遵守すべき行動の基準(以下「政治倫理基準」という。)を定めることにより、議員の政治倫理の確立を図り、もって市民に信頼される公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条 議員は、市民の厳粛な信託を受けた代表者であることを自覚し、自らの行動を厳しく律し、倫理の向上に努めなければならない。
2 議員は、政治倫理基準に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、速やかに、真摯かつ誠実に、疑惑を解明しなければならない。
(政治倫理基準)
第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 議員の品位と名誉を損なう行為により、市民の議会に対する信頼を損ねないこと。
(2) 議員の地位を利用して、公正を疑われるような金品の授受を行わないこと。
(3) 議員の地位を利用して、嫌がらせ、強制又は圧力をかける行為をしないこと。また、いかなる場合であっても、ハラスメント(他の者が不快に感じる言動又は行為をいう。)その他人権侵害のおそれのある行為をしないこと。
(4) 政治活動に関する寄附について、政治的又は道義的な批判を受けるおそれのあるものを受けないものとし、議員の後援団体に対しても同様に取り扱わせるよう措置すること。
(5) 市が行う許認可等の処分若しくは行政指導又は請負その他の契約に関し、特定の個人、企業、団体等に対して有利又は不利となる働きかけをしないこと。
(6) 市の職員の公正な職務執行を妨げ、市の職員の権限又は地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。
(7) 市の職員の採用、昇格、人事異動等に関し、議員の地位による影響力を行使しないこと。
(8) 職務上知り得た情報は、不当な目的のために使用しないこと。
(9) 市税等の納付を誠実に行うこと。
(請負契約に関する遵守事項)
第4条 議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、自らが役員と同程度の執行力又は責任を有すると認められる法人等に対し、市が発注する工事、製造等の請負に係る契約の締結の自粛をするよう努めるものとする。
(審査請求)
第5条 議員は、第3条の規定に違反する疑いがあると思料するときは、議長に対し、審査を請求することができる。
2 前項の規定による請求は、その理由を明らかにし、議員5人以上が連署する書面により行わなければならない。
(審査会の設置及び審査要請)
第6条 議長は、前条第1項の規定による審査の請求があったときは、直ちに萩市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、審査を要請しなければならない。
2 審査会は、審査の要請があった事項について、その適否及び政治倫理基準に違反すると認められるかどうかを調査審議する。
(審査会の委員)
第7条 審査会の委員は、8人以内とする。
2 委員は、議長が議員のうちから任命する。
3 委員の任期は、議員の任期とする。
4 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また同様とする。
5 委員は、公正かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
(審査会の調査権限)
第8条 審査会は、必要があると認めるときは、審査の対象となる議員(以下「審査対象議員」という。)その他適当と認める者を会議に出席させて説明を求め、若しくは意見を聴き、又は資料等の提出を求めることができる。
2 審査会は、必要があると認めるときは、審査対象議員に対し、資産等に関する書類(以下「資産報告書等」という。)の提出を求めることができる。
3 資産報告書等に記載する事項は、議長が別に定める。
(議員の協力義務)
第9条 審査対象議員は、審査会からの求めがあったときは、審査会の会議に出席して説明をし、若しくは意見を述べ、又は審査に必要な資料若しくは資産報告書等を速やかに提出しなければならない。
(釈明等の機会の保障)
第10条 審査会は、審査対象議員から審査会において釈明等したい旨を求められたときは、その機会を保障しなければならない。
(虚偽報告等の公表等)
第11条 審査会は、審査対象議員が資産報告書等の提出を拒み、若しくは虚偽の報告をしたとき、又は調査に協力しなかったときは、その旨を公表するとともに、第14条に準じた措置を講ずることができる。
(審査結果の報告等)
第12条 審査会は、第6条の規定により審査の要請があったときは、当該要請のあった日から起算して60日以内に審査の結果を書面により議長に報告しなければならない。ただし、天災その他により審査をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
2 議長は、前項の報告を受けたときは、その結果を審査を請求した議員及び審査対象議員に通知するとともに、公表しなければならない。
(調査審議手続等の非公開)
第13条 審査会の行う会議又は調査審議の手続は、公開しない。ただし、出席委員の過半数の同意があるときは、この限りでない。
(政治倫理基準違反に対する措置)
第14条 審査会は、審査対象議員に政治倫理基準に違反すると認められる事実があるときは、議長に対し、辞職の勧告その他審査会が必要と認める措置を講ずるよう求めることができる。
(審査結果の尊重)
第15条 審査対象議員は、第12条第2項の規定による通知において、自らの行為が政治倫理基準に違反している旨の指摘がなされたときは、これを尊重し、政治倫理の確保のために必要な措置を講じなければならない。
(贈収賄罪等の刑確定後の措置)
第16条 議会は、議員が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条の罪(議員の地位又は職務と無関係な贈賄罪を除く。)により有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、議会の名誉及び品位を守り、市民の信頼を回復するため、必要な措置を講ずるものとする(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項及び地方自治法第127条第1項の規定により当該議員が失職する場合を除く。)。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。