○萩市男女共同参画推進条例
平成22年3月23日
条例第1号
萩は、近代日本の礎を築いた多くの人材を輩出し、明治維新胎動の地といわれるまちです。その進取の気風を受け継ぐ私たちは、誇るべき歴史と美しい自然が織りなすふるさとを愛し、心のよりどころとなる、あたたかいまちを目指し、まちづくりに取り組んできました。
この将来像に向けたまちづくりを更に進めていくためには、男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野の活動に参画し、共に責任を担う男女共同参画社会を実現しなければなりません。そして、国際社会や国内の動向を踏まえ、男女の人権が尊重され、社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある男女共同参画社会の実現に向けて様々な施策に取り組む中、本市が未来に向かって発展し、市民一人一人が輝き、心豊かに健やかに暮らすためには、なお一層の努力が必要です。
このような認識の下、関係法令等を踏まえ、市、事業者及び市民が協働し、男女共同参画に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関する基本理念を定め、市の責務並びに事業者及び市民の役割を明らかにするとともに、男女共同参画に関する施策の基本的事項を定めることにより、市、事業者及び市民が協働して男女共同参画に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会の実現を図ることを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画し、かつ、共に責任を担うことをいう。
(2) 事業者 営利、非営利の別を問わず、市内において事業を行うすべての個人及び法人その他の団体をいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として推進する。
(1) 男女の個人としての尊厳を尊重するとともに、性別による差別を受けることなく、個人として能力を発揮する機会が確保されること。
(2) 性別による固定的な役割分担等を反映した社会制度又は慣行をなくすように努めるとともに、自らの意思と責任により多様な生き方が選択できること。
(3) 男女が社会の対等な構成員として、市における施策及び事業者における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
(4) 家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、家事、子の養育、家族の介護等の家庭生活における活動と就業その他の社会生活における活動を円滑に行うことができること。
(5) 男女の対等な関係の下に、互いの性に関する理解及び決定が尊重されるとともに、生涯にわたる健康の維持が図られること。
(6) 男女共同参画の推進が、国際的な取組と協調し、連携して行われること。
(7) 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第1項に規定する配偶者及び同法第28条の2に規定する関係にある相手からの暴力並びにセクシュアル・ハラスメント(性的な言動に対する相手方の対応によって、その相手方に不利益を与えること、又は性的な言動により相手方の生活環境を害する行為をいう。)が根絶されること。
(市の責務)
第4条 市は、前条に規定する男女共同参画の推進についての基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、男女共同参画に関する施策(男女共同参画の場において、男女間の格差を改善するため必要な範囲内で、積極的に男女のいずれか一方に対し、当該参画の機会を提供する積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、実施する。
2 市は、国及び他の地方公共団体と連携を図るとともに、事業者及び市民と協働して、男女共同参画に関する施策を効果的に実施し、男女共同参画を推進する。
(事業者の役割)
第5条 事業者は、男女共同参画について理解を深め、事業活動において男女が対等に参画する機会を確保するとともに、事業活動とその他の社会生活における活動との両立に配慮し、男女共同参画の推進に努める。
2 事業者は、男女共同参画に関する施策に協力するよう努める。
(市民の役割)
第6条 市民は、男女共同参画について理解を深めるとともに、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に努める。
2 市民は、男女共同参画に関する施策に協力するよう努める。
(基本計画)
第7条 市長は、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定し、男女共同参画に関する施策を総合的かつ計画的に推進する。
(不特定多数の者に表示する情報に関する留意)
第8条 市、事業者及び市民は、不特定多数の者に表示する情報において、性別による固定的な役割分担、性的な暴力を助長し、又は連想させる表現及び過度の性的な表現を行わないよう努める。
(理解を深めるための措置)
第9条 市は、男女共同参画に関する事業者及び市民の理解を深めるため、広報活動等を通じて普及啓発に努めるとともに、学校教育及び社会教育において、男女共同参画に関する教育及び学習を促進するための必要な措置を講じる。
(男女共同参画推進月間)
第10条 事業者及び市民の間に広く男女共同参画に対する関心と理解を深めるとともに、積極的に男女共同参画の推進に関する活動を行う意欲を高めるため、男女共同参画推進月間を設ける。
2 男女共同参画推進月間は、毎年10月とする。
3 市は、男女共同参画推進月間の趣旨にふさわしい事業を実施する。
(民間活動に対する支援)
第11条 市は、事業者又は市民が行う男女共同参画の推進に関する活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講じる。
(推進体制の整備)
第12条 市は、事業者及び市民の協力の下に、男女共同参画に関する施策を積極的に推進するために、必要な推進体制の整備に努める。
(実施状況の公表)
第13条 市長は、毎年1回、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について公表する。
(事業者の報告)
第14条 市長は、この条例の施行について必要があると認めるときは、事業者に対し、男女の就業状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
(意見等の申出の処理)
第15条 市長は、男女共同参画に関する施策、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策又は性別による差別及びその他の男女共同参画の推進を阻害する要因による人権の侵害について、事業者又は市民から意見、苦情、相談等の申出(以下「意見等の申出」という。)があったときは、適切な処理に努める。
2 市長は、事業者又は市民から意見等の申出があったときは、関係行政機関と協力して、適切な処理に努める。
3 市長は、意見等の申出のうち特に必要があると認められるものについては、次条に規定する審議会の意見を聴くことができる。
(萩市男女共同参画推進審議会)
第16条 男女共同参画の推進に関し、男女共同参画に関する施策及び男女共同参画に影響を及ぼすと認められる施策並びに市長が必要と認める事項について審議し、又は建議するため、萩市男女共同参画推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長が委嘱する15人以内の委員をもって組織する。
3 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
(委任)
第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成22年4月1日から施行する。ただし、第16条の規定は、平成22年7月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に策定されている萩市男女共同参画プランは、第7条に規定する基本計画とみなす。
附則(平成26年3月18日条例第11号)
この条例は、公布の日から施行する。