○萩まちじゅう博物館条例
令和7年9月26日
条例第27号
萩まちじゅう博物館条例(平成17年萩市条例第100号)の全部を改正する。
私たちのまち萩には、毛利藩政期260年間に形成された城下町のたたずまいや町割りなどが今なお残り、「江戸時代の地図がそのまま使えるまち」となっています。
萩の城跡や武家屋敷、町家、維新の志士の旧宅、寺院等は、それぞれが日本を代表する貴重な文化財であるとともに、城下町全体がかけがえのない姿で残されています。
また、市内一円には、日本海と豊かな大地が育んだ里山や田畑の中に、赤瓦の集落や寺社が点在する美しい風景が広がり、そこでは豊かな歴史文化が受け継がれています。
そして、こうした萩のまちが私たち市民によって住みこなされ、いたる所に文化財と一体となった風景や暮らしが息づいていることこそ、全国に誇るべき文化遺産であると言えます。
ここに、私たち市民は、萩のまち全体を屋根のない博物館としてとらえ、この文化遺産を大切に保存し、かつ、その活用を図り、萩にしかない宝物として次世代に確実に伝え、「萩に生まれたこと、萩で暮らすことを誇りに思う」と日々実感できるような魅力あるまちづくりに努めるとともに、萩を訪れた人々に萩の良さや歴史を、愛着と誇りを持って伝えられるまちづくりを、まちじゅうで推進することを決意し、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、本市のまちづくりの基軸となる萩まちじゅう博物館を推進することを目的とする。
(1) 萩のおたから 萩の地で長年にわたり市民生活の中で継承され、育まれた有形無形の文化遺産をいう。
(2) 萩まちじゅう博物館 萩のまち全体を屋根のない博物館としてとらえ、萩のおたからの保存及び活用を図ることをいう。
(1) 萩のおたからの保存
ア 市及び市民は、萩の資源であり魅力である本市固有の萩のおたからを協働で再発見し、これを伝えていくよう努めるものとする。
イ 市及び市民は、萩のおたからの価値及び魅力の共有に努めるものとする。
(2) 萩のおたからの活用
ア 市及び市民は、保存された萩のおたからを、できる限り現地において、その価値を守りつつ生業や暮らしに利用するよう努めるものとする。
イ 市及び市民は、萩のおたからの価値及び魅力を発信するとともに、その新たな価値を創造するよう努めるものとする。
(中核博物館及び地域博物館)
第4条 市は、萩まちじゅう博物館の中核博物館として萩博物館及び萩・明倫学舎を位置付けるとともに、市内各地の歴史的及び地理的に一定のまとまりを持つ地域を地域博物館としてとらえ、それらを結ぶネットワークを構築するものとする。
2 市は、中核博物館の情報発信及び展示の充実を図るとともに、地域博物館並びにその周辺の萩のおたからの保存及び活用に必要な施策を講じるものとする。
(館長)
第5条 萩まちじゅう博物館に館長を置く。
2 館長は、市及び市民の協働によるまちじゅう博物館を推進するために必要な事業を統括する。
(構想の推進)
第6条 市は、市及び市民の協働による萩まちじゅう博物館を推進するため、萩まちじゅう博物館構想を策定するものとする。
2 萩まちじゅう博物館構想を実現するための基本計画及び行動計画は、文化財保護法(昭和25年法律第214号)第183条の3に基づく萩市文化財保存活用地域計画とする。
(その他)
第7条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。