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スコリア丘・伏馬山

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年8月26日更新
約50の小さな火山の集まりである活火山・阿武火山群は、約200万年から約1万年前にかけて噴火しました。阿武火山群の中で最も新しい火山は笠山です。
内陸部にも阿武火山群の火山はあり、玄武岩の小さな溶岩台地や溶岩流とスコリア丘からなる組み合わせの火山や、安山岩やデイサイトの小さな溶岩台地で構成されています。

スコリア丘のでき方

むつみ地域の伏馬山は阿武火山群の中でも比較的大きなスコリア丘で、比高(高さの差)が140メートルあります。スコリアとは、花火のように噴きあがったマグマのしぶきからガスが抜けた黒い軽石のことです。マグマのしぶきを噴き上げる噴火をストロンボリ式噴火といい、マグマのしぶきからできたスコリアが地面に降り注いでできた地形がスコリア丘です。
スコリアが降り積もるとき、はじめは噴火口から少し離れた場所に溜まり、ドーナツ状に山をつくっていきます。さらに降り続き、斜面の角度が、約30度の角度を超えると、落ちてきたスコリアは積みあがるのではなく、斜面を転がり始めます。できたスコリア丘の山の斜面は約30度となり、新しいものはプリンを伏せたような形となります。降り積もったばかりのスコリア丘の内部は高温で、スコリア同士の間隙にある空気中の酸素によって酸化し、赤くなります。
伏馬山
伏馬山
伏馬山山頂から北側を望む

火山のめぐみ~平らな地形と湧水

スコリア丘を作った噴火からしばらくして、噴火の形態が溶岩を流すものに変わります。スコリアに比べて密度の大きい溶岩は、噴火口まで上昇する途中でスコリアを壊して流れ出すことがあります。伏馬山のふもとではスコリア丘の下に溶岩台地が広がりました。県道13号線沿いに広がる平らな水田は溶岩流のうえにできたものです。
また、宇立地区には湧き水があります。これは伏馬山に降った雨水が溶岩の中を通り抜け、湧き出しているものです。むつみ地域にはこのほかにも東台の伏流水が湧き出る羽月など湧水地が多数あります。
市の権現と田
むつみの柱状節理
羽月の湧水