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第6話「女囚の秘密」キーワード

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年2月13日更新

「万物皆我に備わる。身を反みて誠あらば楽しみこれより大なるはなし」

講孟箚記 「天地間のあらゆる理法は、生まれながらみな自分の本性の中に備わっているものである。自分自身を反省してみて、一点の偽りもなく真心に欠けるところがないような境地になれば、人生はこれより大きな楽しみはない」という意味です。

 文からもらったお手玉を捨てた理由を尋ねられた高須久子が、「娘と会わないつもりだったが、生きて傷つくことも償いではないか」と変化を吐露したとき、松陰はこのことばに続けて、「すべての感情は、もともと人の本性の中に備わっているもので、悲しみや、悪だけではなく、善もまたしかり、喜びもまたしかり。一生獄の中にあっても、心を磨いて、己の心に目を凝らして誠を尽くせば、人は生まれ変わることができる」と語ります。
 このことばは、孟子の教えです。松陰は獄中で囚人に「孟子」を講義します(この時の講義を「講孟箚記(こうもうさつき)、後に講孟余話と改題するも再び箚記に戻す」にまとめています)。孟子は性善説を主張しており、今回の野山獄でのシーンにふさわしいことばとしてドラマで使われました。松下村塾でも「孟子」は講義されるなど、松陰は孟子のことばを講義でもよく引用しています。
 なお、「講孟箚記」は、萩市電子図書館や萩市立図書館ホームページ(貴重資料アーカイブス)から全文を見ることができます。

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