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宅配便 10 |
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1■田中さんからのご一報 |
6月16日朝、山口はぎ漁協・玉江浦支部の定置網で珍しい魚が採れたと、同支部・準組合員の田中義信さんから堀に連絡が入りました。早速田中さん宅におうかがいしたところ、たくさんの小魚と一緒に箱に入った、タチウオを幅広くしたような魚が目に飛び込んできました。神々しく銀色に輝く体、美しい朱色の背鰭(せびれ)、角張った額(ひたい)、白金に漆黒の墨をたらしたような目
― この魚はまさしく、稀にしか採れない深海魚・テンガイハタではありませんか。 |
2■テンガイハタの出現について |
アカマンボウ目フリソデウオ科のテンガイハタは沖合の中層域にすみ、これまでに青森県〜高知県沖、中央太平洋、ニュージーランド、南アフリカ、地中海1)2)のほか、山口県の日本海側から文献報告があります3)。山口県ではほかにも、昨年6月の豊北町での発見をはじめ、これまでに数回ほど目撃・漁獲例があったようです。 |
3■テンガイハタの顔 |
「萩博物館だより11」で紹介しましたように、テンガイハタは顎(あご)が伸びたり縮んだりできるようになっています。このたび玉江浦で採れたテンガイハタも、顎を動かすと図2のように口が斜め下に突き出るように長くのびました。口を伸ばした姿は、赤い鬣(たてがみ)をたなびかせた馬のようですね。 |
4■おわりに |
今回のテンガイハタをご寄贈くださった山口はぎ漁協・玉江浦支部の福永護理事、小橋俊二船長、および支部の皆様に深謝いたします。また、さまざまな面で便宜を図ってくださった準組合員の田中義信さんに、深くお礼申し上げます。
参照文献 |