2001年以降、萩市須佐と長門市青海島でハゼ(3種)と、そのハゼと共生するエビ(1種)が断続的に発見されました。このたび詳しく調査した結果、それらは「熱帯性」のものであることがわかりました。
a) イトヒキハゼ |
・2001年11月に長門市青海島(紫津浦)で、2004年9月に萩市須佐(須佐湾)で発見され、以降、両地で現在まで継続して目撃されています。
・千葉県・新潟県より南、インド洋・熱帯太平洋を中心に分布するハゼです。 |
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No. 1 「イトヒキハゼ」と
「ニセオニテッポウエビ」 |
イトヒキハゼ(下)の長さ:約10cm |
萩市須佐・須佐湾:水深約5m |
2006年12月6日 |
須佐リゾートダイビング提供 |
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b) クサハゼ |
・2004年8月に萩市須佐(須佐湾)で、2005年1月に長門市青海島(紫津浦)で発見され、以来、両地で現在まで継続して目撃されています。
・千葉県より南、熱帯太平洋を中心に分布するハゼで、当館が把握している限り、日本海からの正式な文献記録はありません。 |
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No. 2 「クサハゼ」と
「ニセオニテッポウエビ」 |
クサハゼ(上)の長さ:約4cm |
長門市青海島・紫津浦:水深約20m |
2006年11月29日 |
吉村猛氏撮影 |
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c) カスリハゼ |
・2005年11月に萩市須佐(須佐湾)で、2006年10月に長門市青海島(紫津浦)で発見され、以来、両地で現在まで継続して目撃されています。
・千葉県より南、熱帯太平洋を中心に分布するハゼで、当館が把握している限り、日本海からの正式な文献記録はありません。 |
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No. 3 「カスリハゼ」と
「ニセオニテッポウエビ」 |
カスリハゼ(左)の長さ:約2cm |
萩市須佐・須佐湾:水深約5m |
2006年10月4日 |
須佐リゾートダイビング提供 |
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No. 4 「カスリハゼ」 |
長さ:約3cm |
長門市青海島・紫津浦:水深約20m |
2006年11月29日 |
中島賢友氏撮影 |
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d) ニセオニテッポウエビ |
(写真No.1, 2, 3)
・上記3種のハゼそれぞれと共生しているエビ。エビが砂底に巣穴を掘るかわりに、ハゼは巣穴の入口で「見張り役」をおこない、危険が近づくとエビに知らせます。
・水中写真を林健一博士(水産大学校名誉教授)に送って調べていただいた結果、本種であることが判明しました。
・本種を含むテッポウエビ類は熱帯域を中心に分布するグループで、日本海からは正式な文献記録はありません。 |
※上記のうち、須佐のものは水深5m付近で「須佐リゾートダイビング」の関係者の方々により、青海島のものは水深20m付近で「ダイビングショップ・シーアゲイン」の関係者の方々によって発見・確認されたものです。