○萩市水道水源保護条例
平成20年3月21日
条例第7号
(目的)
第1条 この条例は、本市の水道に係る水質の汚濁を防止し、安全で良質な水を確保するため、水道法(昭和32年法律第177号)第2条第1項の規定等に基づき、その水源を保護するとともに、きれいな水を市民が享受する権利を保護し、もって市民の生命及び健康を守ることを目的とする。
(1) 水道 水道事業の用に供する施設及び飲料水供給施設(萩市飲料水供給施設の設置及び管理に関する条例(平成17年萩市条例第154号)に規定する飲料水供給施設をいう。)の総体をいう。
(2) 水源 水道のための取水施設及び貯水施設に係る周辺の地域で、本市の水道の原水の取水に係る区域をいう。
(3) 水源保護地域 本市の水道に係る水源及びその上流地域並びに集水地域で、水源に影響があると認められる地域であって、市長が指定する地域をいう。
(4) 対象事業場 次に掲げる事業場をいう。
ア 一般廃棄物最終処分場 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号。以下「廃掃法施行令」という。)第5条第2項に規定する一般廃棄物の最終処分場をいう。
イ 産業廃棄物最終処分場 廃掃法施行令第7条第14号に規定する産業廃棄物の最終処分場をいう。
(5) 規制対象事業場 対象事業場のうち、水源保護地域内で水源の水質を汚濁するおそれがあるもので、規則で定める認定基準に基づき、第8条第9項の規定により規制対象事業場と認定されたものをいう。
(6) 既設対象事業場 対象事業場のうち、水源保護地域指定の際現に当該地域内において設置されているもの(その設置に係る山口県知事の許可を受け、設置のための工事が着手されている対象事業場を含む。)をいう。
(7) 排出水等 対象事業場から公共用水域(水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条第1項に規定する公共用水域をいう。)に排出される浄化槽及び浸出水処理施設並びに地下水集排水管からの排出水及び対象事業場から土壌又は地下に浸透する水(以下「地下浸透水」という。)をいう。
(8) 排水基準 排水基準を定める省令(昭和46年総理府令第35号)第1条に規定する排水基準をいう。
(市の責務)
第3条 市は、水源の保護に関する施策の推進その他水源の保護について必要な措置を講じなければならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、日常生活に伴い排出する水の水源に与える影響を認識し、市が実施する水源の保護に関する施策に協力するとともに、自らも水源を保護するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、その事業活動を行うに当たり、市が実施する水源の保護に関する施策に協力するとともに、自らも水源の保護について必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(水源保護地域の指定)
第6条 市長は、水源を保護するため、水源保護地域を指定することができる。
2 市長は、水源保護地域を指定しようとするときは、あらかじめ期間を定め、水源保護地域の案を示す図書を一般の縦覧に供しなければならない。
5 市長は、水源保護地域を指定したときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。
6 水源保護地域の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生じる。
(規制対象事業場の設置の禁止)
第7条 水源保護地域において、何人も規制対象事業場を設置してはならない。
(市長の認定及び協議手続)
第8条 水源保護地域において対象事業場を設置しようとする者(国又は地方公共団体を除く。以下「予定事業者」という。)は、規則で定めるところにより、あらかじめ市長に協議を申し出て、当該対象事業場が規制対象事業場に該当しない旨の市長の認定を得なければならない。
2 市長は、予定事業者から前項の規定による協議の申出があったときは、速やかにその旨を公告し、場所及び期間を定めて予定事業者から提出された資料その他の書類を一般の縦覧に供さなければならない。
3 予定事業者は、市長が必要と認める関係地域の住民に対し、当該対象事業場の設置に係る計画及び内容を周知するため、前項の縦覧期間中に1回以上の説明会を開催し、縦覧期間満了後10日以内に、市長に対しその内容に関する報告をしなければならない。
7 市長は、当該対象事業場が規制対象事業場に該当しないと認めるときは、その旨を認定し、予定事業者に対し通知するものとする。この場合において、市長は、必要と認めるときは、当該予定事業者と水源の保護のために必要な事項を定めた協定を締結するものとする。
8 市長は、当該対象事業場が規制対象事業場に該当すると認めるときは、予定事業者に対し、必要な指導又は助言を行うとともに、期限を定めて、計画変更のための市長との再協議を勧告するものとする。
9 市長は、予定事業者が前項の再協議に応じないとき、又は再協議によっても規制対象事業場以外の事業場に変更されないときは、規制対象事業場に該当する旨を認定し、当該予定事業者に対し通知するものとする。
11 予定事業者は、第1項の規定による協議の内容を変更しようとするときは、その旨を市長に届け出るとともに、その内容を市長と協議しなければならない。
(認定前の着工禁止)
第9条 予定事業者は、前条第7項に規定する規制対象事業場に該当しない旨の認定の通知があるまでは、対象事業場の建設工事に着手してはならない。
(工事の一時停止命令等)
第10条 市長は、予定事業者が第8条第10項の規定による勧告に従わないときは、当該予定事業者に対し、対象事業場の建設工事の一時停止を命じることができる。
(既設対象事業場の取扱い)
第11条 既設対象事業場を設置している者(国又は地方公共団体を除く。以下「既設事業者」という。)は、水源保護地域の指定の日から起算して60日以内に、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。この場合において、市長は、当該届出に係る既設対象事業場について、規制対象事業場に該当しない旨又は該当する旨の認定は、行わないものとする。
2 市長は、既設事業者が前項の規定による届出をしないときは、期限を定めて、届出を行うよう勧告するものとする。
3 既設事業者は、第1項の規定による届出の内容を変更しようとするときは、その旨を市長に届け出るとともに、その内容を市長と協議しなければならない。
2 前項の規定により地位を承継した者は、その承継があった日から起算して30日以内に、その旨を市長に届け出なければならない。
(改善命令等)
第14条 市長は、水源保護地域内の対象事業場の排出水等が、排水基準に適合しないとき、又はそのおそれがあるとき、若しくは遮水工の破損等により周辺環境への汚染の拡大が懸念されるときは、当該対象事業場を設置している者に対し、期限を定めて、施設の構造、使用方法又は汚水若しくは廃液(以下「汚水等」という。)の処理方法の改善を命じ、又はその施設の使用の一時停止を命じることができる。
(報告及び立入検査)
第15条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、水源保護地域内で対象事業場を設置している者(以下「対象事業者」という。)に対し、排出水等の汚染状況その他の必要な事項について報告を求め、又は本市の職員若しくは市長の指定する者(以下「職員等」という。)に当該対象事業場に立ち入り、排出水等の検査をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員等は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(指導等)
第16条 市長は、対象事業者に対し、その対象事業場からの排出水等について、必要な指導、助言又は改善勧告を行うことができる。
(事故時の措置)
第17条 対象事業者は、その対象事業場において、汚水等に係る施設の破損その他の事故が発生し、人の健康に係る被害を生じるおそれがある物質(水質汚濁防止法第2条第2項第1号に規定する物質をいう。)(以下「有害物質等」という。)を含む水が対象事業場から公共用水域に排出され、又は有害物質等を含む地下浸透水が浸透したことにより、人の健康又は生活環境に被害を生じるおそれがあるときは、直ちに、有害物質等を含む水の排出又は有害物質等を含む地下浸透水の浸透の防止のための応急の措置を講じるとともに、その事故の状況及び講じた措置の内容を速やかに市長に報告しなければならない。
(審議会の設置)
第18条 水道に係る水源の保護を図り、水道に関する事業を円滑に推進するため、萩市水道水源保護審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、本市の水道に係る水源の保護に関する重要な事項について調査審議する。
(組織)
第19条 審議会は、委員10人以内をもって組織する。
2 委員は、次の各号に掲げる者の中から、市長が委嘱する。
(1) 学識経験を有する者
(2) 関係団体の代表者
(3) その他市長が必要と認めた者
(委員の任期)
第20条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会長及び副会長)
第21条 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、会議の議長になる。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があったとき、又は欠けたときは、その職務を代理する。
(会議)
第22条 審議会は、会長が招集する。
2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(委任)
第23条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
第25条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(1) 第7条の規定に違反した者
(2) 第10条第1項の規定による命令に違反した者
(3) 第17条第2項の規定による命令に違反した者
2 過失により、前項第1号の罪を犯した者は、3月以下の禁錮又は20万円以下の罰金に処する。
第26条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
(1) 第9条の規定に違反した者
(2) 第15条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第27条 次の各号のいずれかに該当する者は、3月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
第28条 第15条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、20万円以下の罰金に処する。
第29条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
(2) 第12条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(3) 第13条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
附則
附則(平成29年3月10日条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。