○萩市花と緑のまちづくり条例
平成24年7月5日
条例第19号
萩市緑を守る条例(平成17年萩市条例第151号)の全部を改正する。
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 花と緑の推進(第5条―第14条)
第3章 保存樹木等(第15条―第19条)
第4章 花と緑の審議会(第20条―第23条)
第5章 補則(第24条―第26条)
附則
私たちのまち萩は、海、川、山の豊かな自然に囲まれた、明治維新胎動の地といわれる誇るべき歴史のあるまちです。
しかしながら、都市化の進展に伴い「土塀からのぞく夏みかん」、「まちじゅうに香る夏みかんの花」、「歴史を見守ってきた松の古木」といった萩を物語る花と緑が失われつつあります。
花と緑は、市民の健康で文化的な生活環境を確保し、潤いと安らぎのある都市環境を形成する上で極めて重要であり、市民にとって心のよりどころとなるものです。
このような認識の下、ここに市、市民及び事業者等はそれぞれの立場において、相互に協力して萩の花と緑を守り、育て、次世代に継承することを決意し、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、花と緑が織りなす美しいまちづくりを総合的かつ計画的に推進するため、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、花と緑のまちづくりに関する基本的な事項を定め、もって市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(市の責務)
第2条 市は、花と緑が織りなす美しいまちづくりの推進(以下「花と緑の推進」という。)を図るため、都市緑地法(昭和48年法律第72号)第4条に規定する基本計画に基づく施策のほか、花と緑の推進に関する施策(以下「花と緑の施策」と総称する。)を総合的かつ計画的に実施するものとする。
2 市は、市民及び事業者に対し、花と緑の推進に関する意識啓発を行うとともに、自主的な活動の支援に努めるものとする。
(市民の責務)
第3条 市民は、花と緑の推進が図られるよう自ら努めるとともに、市が実施する花と緑の施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、その事業活動の実施に当たって、花と緑の推進が図られるよう必要な措置を講じるとともに、市が実施する花と緑の施策に協力するよう努めるものとする。
第2章 花と緑の推進
(公共施設における花と緑の推進)
第5条 市長は、市が設置し、又は管理する公共施設において、花と緑の推進に努めなければならない。
2 市長は、国又は他の地方公共団体(以下「国等」という。)が設置し、又は管理する公共施設について、花と緑の推進を図るよう要請することができる。
3 市長は、国等が設置し、又は管理する施設に植栽する樹木の樹種選定に際して、市の意見が反映されるよう要請することができる。
4 市長は、国等が設置し、又は管理するコンクリート工作物等を、つる植物等により被覆修景するよう要請することができる。
5 国等は、前3項の規定により市長から要請があったときは、その要請に協力するよう努めるものとする。
(民有施設における花と緑の推進)
第6条 市民は、自らが所有又は居住する住宅等の敷地内における、花と緑の推進に努めるものとする。
2 事業者は、自らが設置し、又は管理する事業所の敷地内における、花と緑の推進に努めるものとする。
3 市長は、次の各号に掲げる修景を行う市民又は事業者に対し、規則で定める基準に該当するときは、予算の範囲内において補助金を交付することができる。
(1) つる植物等によるコンクリートブロック塀等の被覆修景
(2) 生垣による修景
(3) 夏みかんや花木の植栽による修景
(空地における花と緑の推進)
第7条 市長は、道路に接する空地で、花木や草花の植栽等による修景の必要があると認める土地の所有者又は管理者に対し、当該空地において花と緑の推進に努めるよう要請することができる。
(開発行為に伴う花と緑の推進)
第8条 建築物及び工作物の建設の用に供する目的で3,000平方メートル以上の土地の形質を変更しようとする者は、あらかじめ花と緑の推進に関する計画書を市長に提出しなければならない。
2 市長は、前項の計画書の提出があったときは、必要な指導、助言又は勧告をすることができる。
(花と緑の協定)
第9条 一定の区域内において土地又は建物を所有し、又は管理する者(以下「土地所有者等」という。)は、当該区域の花と緑の推進を図るため、当該区域内の土地所有者等全員の合意により、花と緑の推進に関する協定(以下「花と緑の協定」という。)を締結することができる。
2 花と緑の協定を締結しようとする土地所有者等は、花と緑の協定書を作成し、あらかじめ市長の承認を受けなければならない。
3 市長は、当該花と緑の協定が適当であると認めるときは、これを承認し、告示しなければならない。
4 前項の規定により承認を受けた花と緑の協定は、締結後に当該花と緑の協定の対象区域内の土地所有者等となった者に対してもその効力を有する。
(花と緑の名所づくりの推進)
第10条 市長は、市の花及び市の木並びに地域に由来のある樹木及び草花等による花と緑の名所づくりに努めなければならない。
2 市長は、市民及び事業者が愛着を持ち、継続して管理している一団の樹木及び草花等を、花と緑の名所として広く周知するものとする。
3 市長は、花と緑の名所づくりを行い、又は行おうとする市民及び事業者に対し、専門家の派遣並びに資材及び器具等の貸出し又は提供等必要な支援をすることができる。
(花と緑の応援隊)
第11条 花と緑の推進に関する自主的かつ実践的な活動を行い、又は行おうとする市民及び事業者は、本市の花と緑を守り育てる担い手として活動する萩市花と緑の応援隊(以下「応援隊」という。)に登録することができる。
2 前項の規定により登録をしようとする市民及び事業者は、規則で定める申請書に必要な書類を添えて、市長に申請しなければならない。
3 市長は、前項の規定により申請があったときは当該申請の内容を審査し、適当と認めるときは、当該申請に係る市民及び事業者を応援隊として登録するものとする。
4 市長は、応援隊が行う活動に対し、専門家の派遣並びに資材及び器具等の貸出し又は提供等必要な支援をすることができる。
(花と緑の月間)
第12条 市民及び事業者の花と緑の推進に関する意識啓発を図るため、花と緑の月間を設ける。
2 花と緑の月間は、毎年5月及び10月とする。
3 市長は、花と緑の月間に、第1項の趣旨を踏まえた事業を実施する。
(寄附による花と緑の推進)
第13条 市長は、市が設置し、又は管理する公共施設における花と緑の推進を図るため、本市の花と緑の推進を応援する個人及び法人その他の団体等から寄附金及び樹木等の寄附を募ることができる。
(花と緑の銀行の設置)
第14条 市長は、寄附を受けた樹木等を、植栽場所が決定するまでの間保管するため、萩市花と緑の銀行(以下「花と緑の銀行」という。)を設置するものとする。
2 市長は、花と緑の銀行で受け入れた樹木等を適正に管理又は育成し、活用のための必要な処置を行うものとする。
第3章 保存樹木等
(保存樹木等の指定)
第15条 市長は、規則で定める基準に該当する樹木又は樹林を、良好な自然環境を維持するために保存する必要があると認めるときは、第20条に規定する審議会の意見を聴き、その所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)の同意を得て、保存樹木又は保存樹林(以下「保存樹木等」という。)として指定することができる。
2 市長は、前項の規定により指定をしたときは、その旨を当該保存樹木等の所有者等に通知しなければならない。
(標識の設置)
第16条 市長は、保存樹木等の指定をしたときは、規則で定める標識を設置しなければならない。
(保存の義務)
第17条 何人も、保存樹木等が良好に保存されるように努めなければならない。
2 所有者等は、保存樹木等について枯損の防止その他保全に努めなければならない。
3 市長は、保存樹木等の保存について必要があると認めるときは、予算の範囲内において所有者等に補助金を交付することができる。
(届出)
第18条 所有者等は、保存樹木等が滅失又は枯死したとき、若しくは異状を認めたときは、遅滞なく市長に届け出なければならない。
2 所有者等は、非常災害のために必要な応急措置として行う場合を除き、保存樹木等を伐採する等の現状変更をしようとするとき、又は譲渡しようとするときは、あらかじめ市長に届け出なければならない。
(指定の解除)
第19条 市長は、保存樹木等の指定理由が消滅したときは、直ちにその指定を解除することができる。
2 市長は、倒木の危険がある場合のほか、公益上その他特別の理由があるときは、保存樹木等の指定を解除することができる。
3 所有者等は、前項の理由により市長に対し、自らの保存樹木等について指定を解除すべき旨を申し出ることができる。
4 市長は、保存樹木等の指定を解除したときは、その旨を当該保存樹木等の所有者等に通知しなければならない。
第4章 花と緑の審議会
(花と緑の審議会)
第20条 市長の諮問に応じ、花と緑の推進に関する事項を審議し、又は建議するため、市長の附属機関として萩市花と緑の審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、花と緑の推進に関する事項について、市長に意見を述べることができる。
(組織)
第21条 審議会は、市長が委嘱する14人以内の委員をもって組織する。
(委員の任期)
第22条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会長及び副会長)
第23条 審議会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員の互選によりこれを定める。
3 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
第5章 補則
(指導及び助言)
第24条 市長は、この条例の目的を達成するため、市民及び事業者による花と緑の推進について必要な指導又は助言をすることができる。
(表彰)
第25条 市長は、花と緑の推進に功績のあった市民及び事業者を表彰することができる。
2 市長は、樹木等の寄附があった個人及び法人その他の団体等を、萩市元気なふるさと創出寄附顕彰条例(平成17年萩市条例第6号)に基づいて顕彰することができる。
(委任)
第26条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成24年10月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日前に、この条例による改正前の萩市緑を守る条例の規定によりなされた処分、手続きその他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。