龍が通った道・龍麟郷
印刷用ページを表示する 掲載日:2015年7月10日更新
中学生が名づけた龍麟郷
阿武火山群の火山の一つ、伊良尾火山が流した14kmに及ぶ溶岩流の流路は、「龍が通った道」として、見学コースとなっています。その見どころの一つが小川上の原台地の南端「龍麟郷」です。
「龍麟郷」は平成10年に指定を受けた山口県指定の天然記念物で、正式名称は「田万川の柱状節理と水中自破砕溶岩」といいます。指定に当たって、小川中学校の生徒が「龍の背の鱗が広がっているようだ」ということで、愛称を名付けました。
龍麟郷の発見
平成3年、上の原から田添地区へ抜ける道路の建設中に見つかったこの場所は、合併前の田万川町教育委員会により、専門家と一緒に、緊急学術調査を行いました。これにより、龍の鱗の部分である玄武岩溶岩の柱状節理とここの場所の成り立ちがわかりました。 約4300万年から3000万年前にできた田万川カルデラ(コールドロン:火山構造性陥没地)の中を川が流れていました。約40万年前、火山灰を数kmの高さまで噴き上げるような激しい噴火が伊良尾山で起こり、流れ出た溶岩が川の水と接触し、爆発、粉々に壊れて降り積もりました。後から次々と流れ出た溶岩は、溶岩の湖を作りました。それが今の上の原台地です。 川を流れ、湖を作った溶岩は表面や土手にあたる部分からゆっくり冷やされ、その面が垂直にひび割れ、現在のような柱状節理を形成していきました。龍麟郷では六角形の面が斜めになった箇所がありますが、そこが川の土手というべき場所です。