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萩市基本ビジョンを改定しました

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年5月17日更新

萩市基本ビジョン(改定版)について 

 新型コロナウイルス感染症は、人々の健康を脅かすだけでなく、日々の生活や地域経済活動、さらには一人ひとりの行動や価値観にまで影響を及ぼしています。 また、ICTの活用は生活行動や働き方の変革につながり、地域社会や地方行政においても、生活の利便性向上や行政運営の効率化等が期待されています。
 こうした状況下において、社会全体が時代の転換点に直面していることを認識し、大きく変化を続ける社会経済情勢に的確に対応するため、「萩市基本ビジョン」を改定するものです。

萩市基本ビジョン [PDFファイル/5.33MB]

萩市基本ビジョン【ダイジェスト版】 [PDFファイル/1.98MB]

主な改定の内容

○新型コロナウイルス感染症の発生やDXの推進など、大きな社会情勢等の変化への対応。
○人口目標を「2027年に社会増減のマイナスを100人以内、出生数を200人以上とすることを目指し、目標人口を40,000人」とする。

萩市基本ビジョンとは

 萩市の将来像やまちづくりの方向性を市民と共有し、市民と行政が一体となって進めるまちづくりの指針であり、本市の政策体系において最上位に位置づけられる計画で、各分野にわたる各種計画の基本となるものです。

萩市基本ビジョン策定の背景

 我が国全体が人口減少社会を迎えたことに加え、東京圏への人口集中が進む中、地方においては、その責任のもと、地域の特色をいかしたまちづくりが求められています。

 特に、広大な中山間地域を有する本市においては、人口減少と少子高齢化が著しく、10年後の推計では、20 ~39歳の若年女性人口が激減し、これに伴い出生数も減少することが示されており、このことは、将来にわたる人口減少の加速化を意味しています。

 人口減少は、私たちの暮らしにも大きな影響を与えることとなり、地域経済及び産業活動の縮小、後継者不足、税収入の減少による行政サービス水準の低下のほか、一定の人口規模の上に成り立っている小売、飲食、医療などの日常生活に必要なサービスの撤退につながるおそれがあります。こうした状況を市民と行政が十分に認識した上で、一日も早く効果的な対策を講じる必要があります。

 一方、平成17年3月の市町村合併から10年が経過し、平成25年7月に発生した萩市東部集中豪雨災害における市を挙げた復興への取組に代表されるように、本市の一体感の醸成は着実に進んでいるところですが、地域全体の発展のためには、今後も、更なる取組を推進していく必要があります。

 本市には、誇るべき歴史・文化や自然環境、豊富な農林水産資源、伝統ある地場産業など、数多くの魅力ある地域資源があります。これらの素晴らしい素材を活用し、市民と行政が一体となり、将来にわたり持続可能なまちづくりに向けて取り組む市政運営の基本指針として「萩市基本ビジョン」を策定するものです。

計画期間

 計画期間は、2018(平成30)年度を初年度とし、2027年度までの10年間です。
 なお、今後の社会情勢等に柔軟に対応するため、必要に応じて見直しを行います。

めざすまちの将来像

めざすまちの姿

 本市にある素晴らしい地域資源をいかし、都市機能の充実と強化を図り、人口減少に歯止めをかけるとともに、活力と魅力ある萩市を次代に引き継いでいくことが求められています。
 「豊かな自然や歴史に恵まれた環境の中で人を育てたい。」
 「産業に活力があり、雇用が生まれ、人が集まり、元気なまちにしたい。」
 「福祉や医療、子育て環境、交通網などが充実し、住み慣れた地域で、大切な家族や友人と自分らしく過ごしたい。」
 このような願いを込めて、市民、民間団体、企業、行政等が互いに連携し、支えあいながら、ひとが輝き、産業活力がみなぎり、まちがきらめく萩の未来を創造し、住みよいまち、住みたくなるまちとなるよう、本市のめざすまちの姿を次のとおり定めます。

 【暮らしの豊かさを実感できるまち】

将来人口について

 本市の人口は、1955(昭和30)年の97,744人をピークに年々減少し、2017(平成29)年には48,895人と、ピーク時に比べて、概ね半減しています。近年の人口の減少幅は年平均1,000人前後で推移しており、現在のすう勢では自然減と社会減が同時に進行し、2027年には約39,700人にまで減少することが予測されます。

 この人口減少幅の抑制に向け、次のとおり目標を掲げます。

2027年に社会増減のマイナスを100人以内、出生数を200人以上とすることを目指し、目標人口を40,000人とします。

萩市基本ビジョンの体系

 萩市基本ビジョンに掲げる「めざすまちの姿」の実現に向けて、基本ビジョンを支える3つの構想並びに「萩市人口ビジョン」及び「萩市総合戦略」に基づく施策を展開するため、各分野、各地域における個別計画を推進するとともに、施策を具体化し各種の取組を展開します。

 また、「萩市総合戦略」では、施策に対する数値目標を定め、施策の進捗状況等を把握するとともに、施策や事業の改善を図る仕組み(PDCAサイクル)を導入し、萩市総合戦略推進委員会や市議会等において、効果検証を実施するなど、実効性のある地方創生の取組を進めます。

めざすまちづくり(基本方針)        

だれもが生きいきと暮らせるまちづくり    

 生涯を通して健やかに安心して住み慣れた地域で生きいきと生活していくことは、市民だれもの願いです。
 急速な少子高齢化社会を迎える中、だれもが自分らしく生きいきと暮らすことができ、個性や特性を認め合いながら互いに支え合う、自立と協働による地域社会の実現が求められています。
 また、新型コロナウイルス感染症対策については、その予防に関係機関と連携して取り組むとともに、感染された方々等への差別、偏見を防止し、人権への配慮が損なわれることがないよう取り組みます。
 高齢者や障がい者に配慮し、全ての市民が誇りと希望を持って暮らし続けることができるよう、医療・介護・福祉・健康の充実した人にやさしいまちづくりを目指します。

○持続可能な医療体制の構築
○地域ぐるみの助け合い「地域包括ケアシステム」の深化・推進
○青年期から高齢期に至るまでの健康の維持増進
○障がい者の社会参加の促進
○安心で質の高いサービスの確保   

子育ての幸せが実感できるまちづくり

 近年の人口減少や少子高齢化の進行等の影響により、家族形態の変化や近隣住民との関係の希薄化が進むと同時に、新型コロナウイルス感染症の影響による人と人との接触機会の減少など、子育てを取り巻く環境は大きく変化しています。また、子育て世代の働き方の変化に伴い、子育て支援に対するニーズが多様化する中、男女を問わず、仕事と子育ての両立のための支援を推進していくことが求められています。
 子どもの幸せは家族の幸せであり、地域の幸せです。子どもは、市民みんなの宝として、地域全体で支え合う仕組みづくりにより、子育て世代が子どもを育てる喜びを感じることのできる地域社会を目指すとともに、妊娠から子育てまで一貫したサポート体制を充実し、だれもが安心して子どもを産み育てやすいまちづくりを目指します。

○妊娠・出産・子育て環境の充実
○子どもたちの笑顔があふれる居場所づくり
○仕事と子育ての両立支援
○出会い・結婚サポートの充実

未来を担うひとを育むまちづくり

 少子高齢化の進展に伴う就学・就業構造の変化、技術革新やグローバル化の進展に伴う産業構造や社会システムの変化、子どもの貧困等による社会経済的な課題、新型コロナウイルス感染症の影響など、社会情勢の変化により、多様な教育や学習の場が求められています。
 「まちづくり」のために最も大切なことの一つは「ひとづくり」であり、本市では、藩政時代から人材育成に力を注いできた歴史があります。
 先人の「ひとづくり」のDNAを呼び覚まし、誰もが将来への夢と志を抱き、自ら学び、自らの可能性を信じ、未来へ向かって挑戦することができるよう、教育・学習の機会を創出するとともに、地域の教育資源を最大限に引き出し、本市の次代を担うひとづくりを目指します。

○「志」教育の推進
○新しい時代に必要となる資質・能力の育成
○地域とともにある学校づくりの推進
○萩の未来を支える教育機会の充実

産業活力があふれるまちづくり

 本市の産業は、豊かな自然環境や歴史・文化資源などの地域の特性をいかした、農林水産業、商工業、観光業など幅広い分野にわたります。しかしながら、人口減少や少子高齢化を背景に、後継者不足が深刻化するなど、大変厳しい状況にあります。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の影響はあらゆる産業に及んでおり、地域経済の早期回復に向けた取組が求められています。
 元気な地域産業を再生するため、本市の魅力を力強く発信するとともに、「人」「物」「情報」の交流や、外部人材と地域資源を最大限に活用する創意のある事業活動を促進し、足腰の強い経営体の育成や新たな産業の創出を目指します。

○地域のにぎわいを取り戻す地場産業の再生
○起業・創業と企業誘致の推進
○企業人材の育成と雇用拡大の支援
○力強い農林水産業の推進
○地域産業の担い手・後継者育成
○地域経済の発展を加速化する高速道路ネットワークの形成

魅力ある歴史・文化・自然をいかしたまちづくり

 歴史的まちなみや豊かな自然景観、伝統ある地場産業、四季折々の花や旬の味覚など、地域や暮らしの中で大切に育まれてきた「もの」や「こと」を「萩ならではの宝物(おたから)」として守り、伝え、活用してきたこれまでの取組が世界遺産登録など、「歴史と文化のまち・萩」のブランド化につながってきました。
 更なるまちの魅力向上のためには、これらの地域資源を観光や産業の中でいかすとともに、守り伝えるための仕組みづくりが必要です。また、新型コロナウイルス感染症の影響により特に深刻な状況が続く観光業においては、早期回復に向けた取組や収束を見据えた事業展開が求められています。観光地経営の視点に立ち、地域資源を有機的に結びつけることにより、新たな萩の魅力を創出し、地域経済の振興につながるまちづくりを目指します。

○全国に誇る萩のまちなみの継承
○文化財の保存と活用による萩のにぎわいづくり
○文化のおたから、自然のおたから、産業のおたからの再発見・継承
○萩ジオパーク構想の推進
○観光地経営の視点に立った観光地域づくりの推進
○観光客誘致の積極展開

生活基盤の充実した住みよいまちづくり

 過疎化の進展とともに、住宅や店舗等の郊外化による市街地の空洞化が進みつつあります。また、中山間地域においても人口減少に伴い、福祉や買物をはじめとする住民生活に必要なサービス機能の提供に支障が生じています。 
 さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、「新しい生活様式」の確立が求められる中、将来にわたり持続可能で快適な生活が送れるよう、生活環境基盤の充実など、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる安全・安心なまちづくりを目指します。

○暮らしに密着した交通網の形成
○生活サービス機能の維持・向上
○持続可能で快適な環境づくり
○防災体制の強化
○地球にやさしい循環型社会づくり

だれからも愛されるまち、求められるまちづくり

 本市では人口減少と高齢化が進み、特に、中山間地域等ではコミュニティの存続も危ぶまれています。
 一方、都会を離れ、地方で暮らしたいと考えている人が、若い世代を中心に増えており、さらに新型コロナウイルス感染症の影響などにより、本市への移住者も増加傾向にあります。
 魅力ある地域づくりに向けて、市民の皆さんとともに、悩み、考え、そして、新たな一歩を踏み出すことができるような取組を推進し、「暮らし続けたい」「移り住みたい」と思われるようなまちづくりを目指します。

○市民との協働による元気なコミュニティづくり
○萩の魅力をいかした移住・定住
○市民一人ひとりが輝くまちづくり
○地域の特色をいかしたまちづくり
○魅力ある離島の発展
○DXによる幸せなまちづくり