明治元年(1868)、薩長両藩をはじめとする「官軍」は、「錦の御旗」を振りかざし、関東、東北各地へ攻め上りました。一連の戊辰戦争に勝利した薩長の出身者らは、明治政府を樹立し、新しい国づくりを開始します。これは、日本が近代化を進め、国際社会の一員となってゆく旅立ちでもありました。しかしその一方で、戦争に敗れた側はもちろん、勝利した側でさえも、多大の犠牲を払わねばならなかったのです。
本展では、まず、「内憂外患」と言われる幕末、長州藩(萩藩)がなぜ戦いの道へ歩まねばならなかったのかについて考察します。また、武器や軍装などの遺品を通じて、無名の戦士たちが挑んだ戦争の実態にも迫ります。さらに、近代日本の新しい国づくりには、いかなる困難が伴ったのかについても考えます。140年の節目に本展をご観覧いただき、明治維新を明・暗の両面から再考していただければ幸いです。 |
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