![]() | ![]() 【第4回】 歴史的景観保存地区 ![]() ![]() これによって、特徴のある屋敷が永く保存されることになりました。それは同時に、永い年月をかけて培われ、そして親しまれてきた、特徴のある藍場川の景観を保存することにもなったのです。 文化財というと、建造物や絵画・彫刻・工芸品・文書などといった物をイメージされる方が多いと思います。これら具体的に形の有る物以外にも、実は、建造物を取り巻く景観なども、文化的、歴史的に価値の有る物として認められています。 萩市では、1972年に、「歴史的景観保存地区保存条例」が制定されました。そして、藍場川のすべての水面と、川の最も上流から500メートルの地点までの、川の右岸から10メートルの範囲までとが、「歴史的景観保存地区」に指定されました。 これにより、藍場川という構築物だけでなく、洗い物や水汲みをしたり川舟を着けたりするハトバ、川舟の通航のために高く架けられた石橋、川の水を利用することを前提に建てられた家屋等々と、それらによって形作られた景観とが、一組で文化財と考えられ、保存されていくことになったのです。この条例の制定は、全国的にみても、最も早い時期のものでした。 ![]() ちなみに萩市では、藍場川周辺の外に、堀内地区、南明寺境内及び参道、東光寺及び吉田松陰誕生地付近、今魚店地域、大照院付近が、歴史的景観保存地区に指定されています。 (市報はぎ1996年7月15日号掲載)
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