世界遺産「明治日本の産業革命遺産」萩市の5つの構成資産に係る修復・公開活用計画(抄録)の作成について
平成27年7月に開催された第39回ユネスコ世界遺産委員会において、萩市の5つの構成資産を含む「明治日本の産業革命遺産―製鉄・製鋼、造船、石炭産業―」が世界遺産に登録されました。委員会の決議文には世界遺産の登録基準を満たしたことに加え、今後、検討すべき8つの事項が勧告されました。このうちのひとつである「優先順位を付した保全措置の計画及び実施計画の策定」に対応するため、萩市では昨年度から国(内閣官房及び文化庁)の指導のもと、各構成資産の修復・公開活用計画の策定を進めています。この度、この計画の抄録を作成しました。
1.作成した資料
萩市の5つの構成資産に関する修復・公開活用計画の抄録
○萩反射炉 (日本語版 [PDFファイル/1.47MB] 英語版 [PDFファイル/1.49MB])
○恵美須ヶ鼻造船所跡 (日本語版 [PDFファイル/1.25MB] 英語版 [PDFファイル/963KB])
○大板山たたら製鉄遺跡 (日本語版 [PDFファイル/1MB] 英語版 [PDFファイル/860KB])
○萩城下町 (日本語版 [PDFファイル/3.77MB] 英語版 [PDFファイル/3.84MB])
○松下村塾 (日本語版 [PDFファイル/2.52MB] 英語版 [PDFファイル/1.56MB])
2.修復・公開活用計画
構成資産の確実な保存と持続可能な活用を目指して、構成資産ごとに望ましい将来像を描き出し、その実現に向けた方針及び具体的方法を明示したもの。萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡及び萩城下町については萩市が策定、松下村塾については宗教法人松陰神社が策定、平成28・29年度の2ヵ年で策定
3.世界遺産委員会決議に付議された8つの勧告事項
a) 端島炭坑の保全措置の計画を優先的に策定すること。
b) 推薦資産及びその構成資産に関する優先順位を付した保全措置の計画及び実施計画を策定すること。
c) 資産への悪影響を軽減するため、各構成資産における受け入れ可能な来訪者の上限数を定めること。
d) 推薦資産及びその構成資産の管理保全のための新たな枠組みの有効性について、年次ベースでモニタリングを行うこと。
e) 管理保全計画及び地区別保全協議会での協議事項・決議事項の実施状況について、年次ベースでモニタリングを行うこと。
f) 各構成資産の日々の管理に責任を持つあらゆるスタッフ及び関係者が、能力を培い推薦資産の日常の保全、管理、理解増進について一貫したアプローチを講じられるよう、人材育成計画を策定し、実施すること。
g) 推薦資産のプレゼンテーションについての説明戦略を策定し、各構成資産がいかにOUVに貢献し産業化の1又は2以上の段階を反映しているかを特に強調すること。また、各サイトの歴史全体についても理解できる説明戦略とすること。
h) 集成館及び三重津海軍所跡における道路建設計画、三池港における新たな係留施設に関するあらゆる開発計画及び来訪者施設の増設・新設に関する提案について、「作業指針」に沿って、審議のため世界遺産委員会に提出すること。