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令和4年度 市長施政方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年2月25日更新

はじめに

 令和4年3月萩市議会定例会の開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、施政の方針に係る所信と、主要な施策について申し述べさせていただきます。

 昨年3月に、市民の皆様から信任を受け、萩市長に就任し、はや一年を迎えようとしております。その職責の重大さを日々改めて認識するとともに、身の引き締まる思いで市政を担わせていただいているところであります。

 私は市長就任以来、「5つの良し」のまちづくりの基本政策を掲げ、地域力を向上し、活力を創生するまちづくりに全身全霊を捧げてまいりました。
 また、一日市長室の開設など、「現場第一主義」を基本に、市民の皆様の声を受け止め、「有言実行」の姿勢で、市政発展に向け、全力を傾注して取り組んでいるところであります。

 萩市を取り巻く環境は、人口減少や少子高齢化の進行をはじめ、未だ収束の見通せない新型コロナウイルス感染症への対応など、多くの課題に直面しております。
 この難局に正面から向き合い、「和顔愛語」の精神で市民の皆様の声をしっかりとお聴きし、皆様と心をひとつに、力を合わせ、萩の未来を切り拓くまちづくりに積極的に挑戦し、「明るく元気な萩市」を創ってまいります。

1 だれもが生きいきと暮らせるまちづくり

(持続可能な医療体制の構築)

 萩保健医療圏におきましては、医師や看護師等の医療従事者の高齢化や不足が深刻な問題となっており、救急医療をはじめとした地域に必要不可欠な医療提供体制の維持が困難になりつつあります。
 このままの状況が続けば、これまで当たり前のように地域で受けることができた医療が受けられなくなる危機的な状況にあります。

 この状況を踏まえ、萩保健医療圏の中核病院づくりにつきましては、中核病院協議会から協議結果の報告を受け、「萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院の形成に向けて検討を進める」という市の方針を昨年11月に決定いたしました。今後、両病院間での具体的な協議と併せて、関係機関と連携しながら、スピード感をもって取り組んでまいります。

 また、新たな看護師確保対策として、現在、看護師資格をお持ちの方が、安心して市内の医療機関に再就業していただけますよう、相談から技術指導、支度金の支給まで、包括的に支援してまいります。

(高齢者福祉・障がい者福祉の推進)

 住み慣れた地域で生活を続けていくためには、買い物や通院に利用できる外出時の移動手段の確保が求められております。
 このため、令和2年4月から、70歳以上の市民を対象とした路線バスの運賃を市内発着で一乗車につき一律100円にするとともに、離島においては、70歳以上の島民を対象に離島航路の片道運賃を無料としております。
 この制度につきましては、多くの方にご利用いただき好評を得ていることから、引き続き実施し、高齢者の経済的負担の軽減を図るとともに、移動手段を確保してまいります。

 また、全国的に介護人材の不足が懸念される中、介護福祉士等の資格取得に係る費用を助成し、離職防止に向けたスキルアップと資格取得による処遇改善を図り、介護人材の確保と育成に取り組んでまいります。

 障がいのある方の社会参加を促進するため、引き続き相談支援体制や雇用・就業支援、福祉サービス体制を整備してまいります。
 また、視覚障がいなどによって読書が困難な方が利用できる書籍の購入など、新たに読書サービスの向上を図るとともに、市民を対象とした手話研修会の開催など、障がいに対する正しい知識の普及・啓発を図り、共生社会の実現に向けた取組を進めてまいります。

2 子育ての幸せが実感できるまちづくり

(妊娠・出産・子育て環境の充実)

 萩市の政策体系において最上位に位置づけられる萩市基本ビジョンでは、人口減少を最も重要な課題と位置づけ、人口減少が市民生活に及ぼす様々な影響を市民と行政が十分に認識したうえで、一日も早く効果的な取組を推進していく必要があるとしております。私は、少子化こそが萩市の人口減少の最大の要因ととらえ、様々な取組を行ってまいります。

 萩市の出生数は、平成30年に200人を下回り、それ以降も減少傾向が続き、少子化に歯止めがかからない状況が続いております。
その原因の一つとして、「子育てや教育にかかる経済的負担などに対する不安が大きいこと」が、昨年実施いたしました子育て世帯意識調査の結果からも見てとれます。

 こうした調査結果も踏まえ、子育て世代の経済的、精神的負担の軽減を図り、市内外の若い世代の方々が、「萩市に住んで、萩市で子育てがしたい」と思えるまちづくりに取り組んでまいります。

 次世代を担う子どもたちの誕生を祝福し、子育て世帯の経済的な負担を軽減するため、昨年6月から、10万円の誕生祝金制度を開始いたしました。
加えて、更なる経済的負担の軽減を図るため、新たに、多子世帯に対する第2子以降の誕生祝金制度を導入し、出生時の10万円と合わせて、第2子に20万円、第3子に50万円、第4子以降に100万円を各就学時期に支援してまいります。(「子育て世帯応援誕生」と「多子世帯応援誕生祝金」についてはこちら
 また、子育てにかかる経済的負担が特に大きくなる、中学校在籍中の学校給食費を無償とし、子育て世帯への経済的支援の拡充を図ってまいります。
 保育園、幼稚園、小学校在籍中の給食費無償化につきましては、財源確保を含めて、更に検討を進めてまいります。

 誰もが安心して子どもを産み、育てたいと思えるよう、経済的負担の軽減を図るとともに、子育て世代包括支援センターHAGUを総合相談窓口として、子育て世代の育児等に関する不安を解消するなど、きめ細かな子育て支援に取り組んでまいります。

 国におきましては、本年4月から、人工授精や体外受精など、一部の不妊治療を公的保険適用の対象とすることを決定いたしました。
 萩市におきましても、引き続き不妊症・不育症対策に取り組むとともに、出産後間もない産婦の健康診査を行い、産後うつ等の予防を図るなど、子どもを望む方や妊産婦の経済的、精神的負担の軽減に努めてまいります。

(仕事と子育ての両立支援・子どもたちの笑顔があふれる居場所づくり)

 子育て世代の働き方の変化に伴う保育ニーズに対応するため、引き続き、放課後児童クラブの充実や病児保育、24時間保育の実施など、仕事と子育てを両立しやすい環境づくりを進めてまいります。
 また、新たな取組として、子どもたちへの食事の提供、学習支援及び相談支援により、孤立や孤食を防ぎ、団らんを通して子どもが安心して過ごすことができますよう、子どもの居場所づくりに取り組む団体を支援してまいります。

(出逢い・結婚サポートの充実)

 結婚を希望する独身男女が、一人でも多く出逢いの場に恵まれますよう、長門市及び美祢市と連携して結婚支援に取り組み、3市に出逢いサポートセンターを開設するとともに、婚活イベントを開催するなど、定住人口の増加及び若者の定着を図ってまいります。

3 未来を担うひとを育むまちづくり

(新しい時代に必要となる資質・能力の育成)

 日本近代化の礎を築いた若者たちを育てた松下村塾は、開塾から180年、国の史跡に指定されてから100年の節目の年を迎えます。
 松下村塾における人づくりの伝統は、教育に熱心な風土として、今日まで連綿と受け継がれております。
 これまで先達が培ってきた萩市ならではの教育理念に沿って、子どもたち一人ひとりの能力や適性に応じた教育を進め、自ら考え、主体的に問題を解決できる人材育成に努めてまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響により、加速したGIGAスクール構想に基づき、ICTを効果的に活用し、新しい時代に求められる資質・能力の育成に取り組み、次代の萩を担う人材を育成してまいります。

 現在、高校や大学への進学や就職等に伴い、多くの若い世代の市外・県外への流出が続いており、萩市の活力低下の大きな要因となっております。
 これに対応するため、産学官連携によるITグローバル人材育成協議会を立ち上げ、次世代の社会を生き抜く人材を幅広く育むため、様々な取組を展開しております。
 引き続き、IT松下村塾として、市内在住の学生、社会人などを対象に、IT知識・技術の習得カリキュラムを無償で提供するなど、これからの時代に対応したIT人材の確保・育成に努めてまいります。

(萩の未来を支える教育機会の充実)

 萩市では、篤志家からの寄付金を活用した給付型の奨学金制度を、国に先駆けて創設し、実施してまいりました。
 学ぶ意欲のある子どもたちが、経済的要因により進学や資格取得をあきらめることがないよう、引き続き支援してまいります。
 また、萩市に定住の意思がある若者の教育の裾野を広げるとともに、奨学金返還による経済的負担を軽減するため、貸与型奨学金の返還支援制度の創設に向けた準備を進めてまいります。

4 産業活力があふれるまちづくり

(ブランド戦略)

 本年早々、むつみ地域の畜産事業者が、農林水産省の6次産業化アワードで、大臣官房長賞を受賞されるという、うれしいニュースが飛び込んでまいりました。「萩むつみ豚」のブランド戦略として、地元の農事組合法人と連携し、地域資源循環型農業を実現されるなど、所得の向上や地域活性化につながる取組が評価されたものであります。
 また、昨年11月には、山口県水産加工展におきまして、市内の水産加工事業者がマフグ、ウニ、ノドグロなどの近海の水産物を原料にした練製品を開発・販売し、農林水産大臣賞を受賞されました。
 さらに、昨年3月には、萩市と阿武町にある6つの酒蔵の日本酒が、「地理的表示(GI)」に指定されました。これは、国が地域ブランドを保護する制度で、酒類では中四国地方で初めてGI指定を受けたものであります。
 このように、萩市の豊富な食資源と気概のある事業者の取組は、高い評価を得ており、様々な付加価値が高まる効果が期待されるところであります。引き続き「萩ブランド」の認知度向上に努めるとともに、地域の産業が稼ぐことができますよう、意欲ある事業者のブランド化の取組を支援してまいります。

(ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた事業者支援と地場産業再生)

 新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞や、高齢化に伴う事業承継の課題などにより、事業規模の縮小や後継者不足など、中小事業者等の経営は非常に厳しい状況が続いております。
 このため、中小事業者等の支援制度の充実、新たな起業・創業や就業支援の促進、地場産業の振興などとともに、「新たな日常」に対応したデジタル化の推進、事業承継への支援など、市内事業者の今のニーズに対応した支援に積極的に取り組んでまいります。

 新たな販路開拓を推進するため、首都圏での萩焼をはじめとする特産品の情報発信やプロモーションを行うとともに、海外販路の開拓に向けてインターネットを活用したマーケティング実証実験を実施するなど、萩市の認知度向上及び産業の活性化を図ってまいります。

 本年3月に供用開始する萩・明倫学舎4号館におきましては、萩市に進出するIT企業などの事務所が開設されるほか、コワーキングスペースを整備し、新しい働き方を実践する場としての活用も図ってまいります。
 このほか、道の駅「萩・さんさん三見」のリニューアルに向けた事業の着手など、地域の雇用創出や経済の活性化に加え、生活支援拠点でもある道の駅などの機能強化を図ってまいります。

(力強い農林水産業の推進)

 農林水産業は、過疎化、高齢化等による担い手の減少や異常気象、コロナ禍等による不安定な市場価格など非常に厳しい状況にあります。農林水産業を魅力ある産業として持続可能なものとするため、担い手の確保・育成に重点を置き、県内トップ水準の就業支援体制により、萩市の農林水産業を牽引する人材を育成するとともに、新たな産業振興施策により生産振興、販路拡大等に積極的に取り組んでまいります。

 農業におきましては、引き続き「儲かる農業」を推進するため、経営体モデルを構築し、新規就農者等へ波及させていくとともに、遊休資源の活用と事業承継を推進してまいります。
 田万川地域では、集落営農法人連合体が、統合環境制御システムを活用した県内最大規模のハウスで冬春トマトの本格栽培を開始されました。雇用の創出や所得の拡大につながる事業を展開され、地域農業の維持・発展に大きく寄与されるものと期待しているところであります。
 また、県内有数のトマト産地である、むつみ地域では、産地の維持・拡大を図るため、トマトの選果機の更新を支援してまいります。
 さらに、新たな取組として、近年多発する災害による農業経営のリスクに対応するため、収入保険への加入促進を支援してまいります。
 林業におきましては、豊かな森林資源を循環的に活用することによる「次世代まで幸せになる林業」を目指し、森林団地の形成及び団地内の主伐・再造林一貫作業を推進するため、新たな取組として、作業の効率化が期待できるコンテナ苗の供給体制の構築を支援するとともに、引き続き作業道等の整備、高性能林業機械の導入を促進してまいります。
 また、新たに幼少期の木育体験をはじめ、市民が森林や木材を身近に感じられる機会を創出するなど、林業6次産業化を推進し、森づくりからまちづくりまで一貫した取組を進めてまいります。

 水産業におきましては、水産資源の保護・回復と環境保全活動の取組を支援し、魚の消費拡大を図るため、引き続き萩の魚の認知度とブランド力向上を図ってまいります。
 また、新たな取組として、活魚の出荷技術取得と流通体制の構築などの支援による、魚価の向上対策に取り組み、漁業者の所得向上を目指してまいります。
 さらに、老朽化した漁港施設の計画的な整備と漁港機能の増進を図り、経営基盤の強化に努めてまいります。

(特定地域づくり事業協同組合)

 地域産業の担い手・後継者を確保・育成する新たな取組として、農林水産業や商工業等の繁忙期の人手不足を解消するため、地域全体の仕事を組み合わせた通年雇用により地域内外からの人材定住を図る、特定地域づくり事業協同組合の運営を支援してまいります。
 当初は、阿中地域を中心に事業が展開される予定でありますが、安定した組合運営の仕組みをつくり、段階的に活動地域を拡大していくことができますよう支援してまいります。

(地域経済の発展を加速化する高速道路ネットワークの形成)

 これからの萩市の産業の活性化や観光の振興に必要不可欠である、山陰自動車道や小郡萩道路の整備につきましては、早期全線開通に向け、引き続き国や県に対して力強く要望活動に取り組んでまいります。
 また、山陰自動車道の大井・萩道路に(仮称)萩東インターチェンジが設置されることから、このインターチェンジから市街地や主要観光地へのアクセス道路を整備してまいります。

5 魅力ある歴史・文化・自然をいかしたまちづくり

(観光地経営の視点に立った観光地域づくりの推進)

 萩まちじゅう博物館構想で掲げる「萩の“おたから”を活かした協働によるまちづくり・観光地づくり」の実現に向け、歴史やまちなみ、四季折々の花や自然、豊富な食材など、萩ならではの観光資源を活用してまいります。
 また、萩・明倫学舎開館5周年、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の萩の5資産、長州ファイブなど、「5」をキーワードとした「GO(5)TO萩」をテーマに、観光事業者、地域、行政が一体となり、切れ目のない観光キャンペーンを展開するなど、低迷する観光需要の回復に向け取り組んでまいります。
 さらに、多様化する観光ニーズに対応するため、重点支援DMOである萩市観光協会と連携し、世界文化遺産や4つの伝建地区及び文化財施設等を活用したユニークベニューの取組、SNSを活用した効果的な情報発信やおもてなしなど、魅力あふれる観光地づくりに努めてまいります。

 本年9月から供用開始する萩・明倫学舎3号館につきましては、萩市観光協会や萩温泉旅館協同組合、市役所の観光担当部署などを集約し、観光地づくりの拠点としての機能強化を図ってまいります。
 このほか、萩市出身で明治期に大阪財界で活躍した実業家、藤田伝三郎の没後110年を記念し、ゆかりの地である香雪園に藤棚を設置する緑地整備を行うなど、城下町周辺の観光誘客を図ってまいります。
 また、萩・阿武川温泉では、老朽化した施設をリニューアルし、利用客の増加を図るとともに、併設のキャンプ場やイベントと連携を図るなど、周辺のにぎわいを創出してまいります。

(萩ジオパークの推進)

 萩ジオパークは、平成30年に日本ジオパークネットワークへ正式加盟してから4年が経過することから、再認定審査を受けます。これを契機にこれまでの活動を踏まえ、市民への理解増進、学校教育及び地域経済への貢献に努め、地球の視点で「萩らしさ」が“見える”・“伝わる”まちを目指した更なるジオパーク活動を展開してまいります。
 また、萩ジオパークのジオサイトである畳ヶ淵の駐車場にトイレを整備し、観光客等への利便性向上を図るとともに、ジオサイト全体の情報発信強化及びジオツーリズムの充実など、観光振興にもつながる活動に積極的に取り組んでまいります。

6 生活基盤の充実した住みよいまちづくり

(暮らしに密着した交通網の形成)

 市民の暮らしを支える利用しやすい交通ネットワークを目指して、萩市のどこに住んでいても目的地まで移動できる交通網の形成に向けて取り組んでまいります。
 市街地における移動手段として多くの方にご利用いただいている、「まぁーるバス」につきましては、これまでの運行ルートに対する要望や昨年実施した実証運行と検証等を踏まえ、本年の夏を目途に利便性の高い新たなルートで本格運行を開始いたします。
 また、利用者の利便性の向上を図るため、交通系ICカードシステムを導入する交通事業者に対し、整備費用の一部を支援してまいります。

(防災体制の強化)

 近年の気候変動などを要因とする自然災害や異常気象に対しましては、総合防災システムを本格稼働させるとともに、地域防災リーダー及び自主防災組織の育成などに取り組み、市民一人ひとりの防災意識を高め、被害の軽減に努めてまいります。
 また、学校施設のトイレを計画的に洋式化し、災害時の避難所としての機能向上を図ってまいります。

7 だれからも愛されるまち、求められるまちづくり

(萩の魅力をいかした移住・定住)

 本年1月、テレビ番組において、人気の移住地ランキング全国第4位に、昨年4月には、移住スカウトサービス「SMOUT移住アワード2020」で全国第3位に選出されるなど、萩市への移住に関心が高まっております。
 全国的にテレワーク等の新しい働き方が普及し、地方への関心が高まる中、定住総合相談窓口を通じた相談件数及び移住世帯数は増加傾向にあります。
 萩市への移住相談件数が増加している今、更に移住・定住を加速させるため、本年4月から、萩・明倫学舎4号館に萩暮らし案内所を開設し、総合相談窓口の機能の充実を図るとともに、萩と関わりたい人と地域を結ぶ拠点として運営し、地域の活性化へとつなげてまいります。
 また、JR三見駅舎を移住希望者やテレワーカー等が萩暮らしを体験できるお試し暮らし住宅として整備するとともに、地域住民と協働で情報発信や移住者支援に努め、移住・定住を推進してまいります。

(市民一人ひとりが輝くまちづくり)

 文化・芸術につきましては、萩・明倫学舎3号館に新たに整備する市民ギャラリーを積極的に活用していただけますよう周知を図るとともに、萩市役所ロビーコンサートへの参加を促進するなど、市民の皆様が文化・芸術に触れる機会の創出に努めてまいります。
 また、スポーツにつきましては、維新の里萩城下町マラソンに代表される大型イベントを継続して開催するなど、交流人口の拡大を図るとともに、新たにスポーツ合宿の誘致に取り組み、アスリートとの交流や研修の場を設けるなど、競技水準の向上にも努めてまいります。

(地域の特色をいかしたまちづくりと花を活用した交流人口の拡大)

 明るく元気な地域の創出には、地域住民の皆様の活発な取組が不可欠であります。
 新たに、地域住民活動チャレンジ補助金を創設し、総合事務所管内の住民団体が取り組む、地域振興や地域課題の解決に向けた活動に対して、支援してまいります。
 加えて、地域事業懇話会などを通じて皆様のご意見をお聴きするとともに、地域事業計画に基づいた効果的な事業に取り組んでまいります。
 花は、まちに彩りをもたらし、人を引き付ける魅力があります。花の名所は、交流人口の拡大による経済効果を生むとともに、地域の魅力となることから、全地域で花を活用した取組を進めてまいります。
 「萩市の花」として親しまれております、ツバキやハギをはじめ、萩地域では、河津桜、夏みかんの花、梅など、四季折々の花が彩を添えております。
 また、「ひまわりロード」で名高い、むつみ地域では、春には菜の花が、夏にはひまわりが、伏馬山山麓一面に咲き誇ります。約25万本のひまわりは圧巻で、毎年約10万人の観光客を呼び込み、近隣施設の売上にも貢献しております。
 さらに、本年から、川上地域ではシバザクラ、田万川地域ではツツジ、須佐地域ではそばの花、旭地域ではヒガンバナ、福栄地域ではベルギーマムといった、花の植栽などを行い、周辺施設やイベントと連携を図り、にぎわいのある地域づくりを推進してまいります。

(魅力ある離島の発展)

 大島におきましては、昨年11月に竣工した公民館、診療所、介護予防センター及び出張所の機能を持つ複合施設「ゆうあい館」を大いに活用し、島の振興につながる取組を推進してまいります。
 相島におきましては、令和5年9月の就航に向け新船の建造が進められていることから、安全で安定的な運航を確保するため、引き続き支援してまいります。
 見島におきましては、可燃ごみを島外に搬送し焼却することで、効率化を図るほか、光ファイバーを整備し、通信環境の充実を図ってまいります。
 こうした基盤整備を進めるほか、農産物等の輸送費を軽減するなど、島民の皆様が島で安心して生活し続けられますよう支援してまいります。

(DXによる幸せなまちづくり)

 デジタル技術やデータの活用により、新たな価値を生み出し、行政・地域社会の仕組みやあり方を変革させるDXを推進してまいります。
 具体的には、オンライン申請により行政手続きができる環境の整備、定型的な業務を自動化するRPAやAIの導入等により、行政サービスの利便性向上や行政事務の効率化を図るとともに、身近なデジタルツールであるスマートフォンの活用講座を各地で開催するなど、市民の方がデジタル技術の恩恵を受けることのできる社会の実現を目指してまいります。

おわりに

 令和4年度の予算概要について申し上げます。
 令和4年度の一般会計当初予算額は、298億8千万円で前年比同額となり、特別会計を含めた当初予算の総額は、445億380万円となり前年比0.7%減となっております。
 今後も、国、県等の補助金を確保することはもとより、市債、基金、市有財産を有効に活用するとともに、ふるさと納税や企業版ふるさと納税制度を活用した財源の確保などに努め、積極的なまちづくり施策を展開しつつ、健全な財政運営に努めてまいります。

 以上、令和4年度の市政運営と所信について申し述べました。

 新型コロナウイルス感染症の脅威は、予断を許さない状況下でありますが、市民の皆様におかれましては、「新しい生活様式」の徹底をはじめ、感染症拡大を防ぐための取組にご協力いただいておりますことに対し、心から感謝申し上げます。
 本年も引き続き、感染症防止対策を最優先としつつ社会経済活動との両立を図りながらの市政運営となりますが、コロナ禍を乗り越えた先には、必ずや希望に満ちた未来が待っていると、信じております。
 市民の皆様のご期待に沿えますよう、先頭に立って、誠心誠意、全力で市政運営に邁進してまいりますので、今後とも、議員の皆様をはじめ市民の皆様の格別のご支援、ご協力をお願い申し上げます。