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令和5年9月定例会 市長報告

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年11月28日更新

1.萩市東部集中豪雨災害から10年を迎えて

○ 平成25年7月28日、須佐地域で1時間の降水量が観測史上最多の138.5ミリメートル、3時間の降水量が301.5ミリメートルという記録的な雨量を観測した豪雨は、尊い人命と多くの財産を奪い、生活・通信・交通基盤を破壊するなど、萩市の東部地域に甚大な被害をもたらしました。
この災害で亡くなられた方のご冥福を心からお祈りいたします。また、一日も早く地域の姿を取り戻すべく、生活再建と災害からの復興を目指し、ご苦労をされました地域の皆様はもとより、ご支援やご協力をいただきました多くのボランティアや各方面の皆様のご尽力に対しまして、深く敬意と感謝の意を表します。

○ 我々の経験や想像をはるかに超え、地域の姿を一変させた萩市東部集中豪雨災害は、大きな爪痕を残しましたが、一方で、私たちに多くの教訓を与えました。
爾来、萩市では、災害からの教訓を風化させることなく後世に伝えるとともに、市民の防災意識を高め、日頃から自助・共助・公助の意識を醸成するため、豪雨災害の発生した7月28日を「萩市民防災の日」と定め、災害への備えに努めてまいりました。

○ 災害から10年の節目となる本年、萩市民防災の日である7月28日に記念式典を行うとともに、節目となるイベントとして、「7.28共に祈り つなげよう未来へ」をテーマに、小川地区では、8月5日に地区の復興の象徴である萩市小川交流センター「みのり」におきまして、災害ボランティア講座を開催いたしました。また、須佐地域では、10月9日に当時の被災場所を歩き豪雨災害からの復興を体感する「ありがとうご縁ウォーク」の実施を予定しているところであります。
○ 萩市東部集中豪雨災害から10年の節目を迎え、改めまして、住民の防災意識と職員の災害対応力の更なる向上に一層注力していかなければならないと強く考えるとともに、災害の経験と当時の記憶を風化させることなく、教訓をしっかりと次の世代に継承していくことを誓ったところであります。
引き続き、市民の皆様の生命と財産を守るため、災害に強いまちづくりを着実に推進してまいりますので、ご支援とご協力をお願いいたします。

2.この夏の諸行事と感染症対策について

〇 新型コロナウイルス感染症の法律上の位置付けが5類感染症へ移行し、3か月が経過したこの夏には、コロナ禍のため中止を余儀なくされていた行事が再開されるなど、市内各地で様々なイベントが実施されました。

〇 7月22日には、4年ぶりの実施となる長州ファイブジュニア英国語学研修の出発式に併せ、長州ファイブ英国渡航160年記念シンポジウムを開催いたしました。節目となる本年、英国への派遣を再開できましたことを大変喜ばしく思うとともに、派遣する5人の中学生たちの決意表明として伺った熱い想いに、大いに感動をしたところであります。
また、災害から10年の節目を迎えた7月28日、須佐地域におきまして、4年ぶりとなる須佐湾大花火大会が開催されました。市内外からの約11,000人もの来場者で大変な賑わいとなった会場の熱気と花火の美しさに、災害からの復興に加え、コロナ禍からの復活を感じ、心震えるものがありました。
さらに、市内各地で4年ぶりとなるお祭りや盆踊りが、関係者の皆様のご尽力により実施されました。浴衣姿の市民の皆様や帰省された方など、子どもからお年寄りまで幅広い世代が集まり賑わう会場に、地域の活力と結束力を感じました。

〇 このように、制限なくイベントが実施され人々が往来し交流を深められること、また、多くの方々にお越しいただき萩市ならではの魅力を体感していただけること、そして何より、心待ちにしてきた活気のある日常が地域に戻りつつあることを、大変嬉しく思ったところであります。

〇 一方で、新型コロナウイルス感染症につきまして、国では、盆明け以降に、例年、感染が拡大する傾向にあることから、今後の感染者数の推移に注意が必要とされております。
萩市といたしましても、感染者の増加を懸念しているところであり、市民の皆様には、国が示す「夏の感染対策のポイント」を参考に、十分な換気やこまめな手洗い、場面に応じたマスクの着用など基本的な感染予防対策を心がけていただきますよう、ご理解とご協力をお願いいたします。

〇 発症と重症化を予防する効果が認められているワクチン接種につきましては、初回接種を終了された生後6か月以上の全ての方を対象としました令和5年秋開始接種を、9月25日から実施することとしております。
引き続き、希望される方が速やかに接種できるよう、取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

3.相島航路新船「あいしま」の就航について

〇 去る8月10日、相島と本土を結ぶ離島航路におきまして、相島の皆様待望の新船「あいしま」が就航いたしました。
就航に先立ち、8月4日には竣工式が開催され、式典後、相島港に向かい、新たな船を島民の皆様にお披露目いたしました。

〇 8月6日には、相島航路の新船竣工を記念し、萩沖にて、相島航路フェリー「あいしま」、大島航路フェリー「はぎおおしま」、見島航路高速船「ゆりや」、萩海上保安署巡視艇「はぎなみ」の4隻の体験航海を実施したところであります。
体験航海には、市内外の多くの方々から申込みがあり、参加された皆様には、絶好の航海日和の中、ご希望の船舶に乗船いただき、航海をお楽しみいただきました。
また、この日限りの4隻の集結を一目見ようと、多くの方々が訪れておられました。

〇 定員130人で、2トントラック及び普通車を各1台運ぶことができる相島航路フェリー「あいしま」により、今後、航海の安全性の向上はもとより、バリアフリー機能の充実や自動車の運搬が可能となったことなど、島民や相島を訪れる皆様の利便性の向上が図られ、快適な航海を提供できるものと確信しているところであります。

4.令和5年度市財政の見通しと財政の健全化指標について

○ 令和5年度萩市一般会計補正予算の提案に当たり、今後の財政見通しを申し上げ、財政運営についてご理解とご協力をいただきたいと存じます。

○ 令和5年度の当初予算は、「明るく元気な萩市」の実現に向け、「萩市基本ビジョン」のもと、「5つの良し」のまちづくりを推進するとともに、人口減少の最大の要因である少子化対策などの重要課題に積極的に取り組むものとして、編成をいたしました。
また、エネルギーや食料品価格等の物価高騰の影響が長期化する中、これに対応する予算を、令和4年度から繰り越すとともに、先の萩市議会4月臨時会及び6月定例会におきまして予算補正を行い、事業執行しているところであります。

○ 財政の見通しにつきましては、高騰するエネルギーや食料品価格等の物価の動向が今なお不透明であり予断を許さない状況にあることから、国の担当大臣に対し、交付金等の更なる支援について要望するなど、今後も必要な対応を的確に判断し、予算措置を行うとともに、その財源確保に努めてまいる所存であります。

○ 今年度の普通交付税額につきましては、107億4,811万3千円に確定し、前年度の当初決定額より1億4,440万5千円の増加となりました。
普通交付税の振替措置である臨時財政対策債の発行可能額につきましては、前年度から1億361万1千円の減少となっております。
なお、今後、算定が本格化する特別交付税につきましては、その確保に最大限努力するとともに、引き続き市税をはじめとした歳入の確保に努め、予算計上した財政調整基金の取崩しの抑制を図ってまいります。

○ 今年度公表の「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく財政の健全性に関する比率につきましては、いずれの指標も健全段階を示しております。
しかしながら、今後も一般財源が減少する厳しい状況が続くことが見込まれるため、収支のバランスにも十分配慮し、引き続き健全な財政運営に努めてまいります。